「フリーランスでも扶養に入れるの?」
「扶養に入っていても確定申告は必要?」
「扶養に入るデメリットはあるのかが知りたい」
このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、フリーランスでも扶養に入れます。ただし、条件があるので事前に把握しておくことが重要です。
また、扶養に入るメリットだけでなくデメリットも知っておくと、後悔することがないでしょう。そこでこの記事では、以下の内容のついて解説します。
- フリーランスが入れる扶養
- 扶養内で働く条件
- 扶養内で働くメリット・デメリット
フリーランスで扶養に入る方が良いのか悩んでいる方は必読の内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
フリーランスが入れる2つの扶養
フリーランスとして働いている方は、以下の2つの扶養に入れます。
- 所得税法上の扶養
- 社会保険上の扶養
扶養に入る前に、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
1. 所得税法上の扶養
フリーランスが入れるのは、所得税法上の扶養です。税制上の扶養は扶養者(納税者)の配偶者や子どもなどの親族の年間合計所得金額が、48万円以下(給与収入のみなら年間103万円以下)の場合に、適用されます。納税者の所得から一定金額が控除される制度です。控除には以下の3種類があります。
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
税制上の扶養が適用されれば、配偶者は所得税や住民税の配偶者控除または配偶者特別控除を受けられます。扶養者と配偶者の所得金額によって、控除される金額は変わってきます。
扶養控除は、配偶者以外の親族を養う際に適用される控除です。子どもや親などは扶養控除で、配偶者は配偶者控除の対象となり、納税者の税金の負担が軽減されます。
2. 社会保険上の扶養
フリーランスは、社会保険上の扶養も入れます。社会保険上の扶養とは、家計を支える納税者が加入する健康保険や厚生年金の被扶養者になることを指します。社会保険の扶養は社会保険の被扶養者になることで、扶養者と同じ社会保険に加入可能です。
扶養者と同じ社会保険に加入することができれば、被扶養者は自ら社会保険料を収める必要がありません。しかし年収や対象となる親族に当てはまっていることなど、社会保険の扶養に入るには条件があります。条件については以下の項目で詳しく解説します。
【ケース別】フリーランスが扶養内で働く条件
ここでは、フリーランスが扶養内で働く条件を以下のケース別に解説します。
- 税金上の扶養に入る場合
- 社会保険の扶養に入る場合
順番に見ていきましょう。
1. 税金上の扶養に入る場合
扶養に入るフリーランスと配偶者のどちらもが、年間の所得合計額の条件を満たせば、配偶者控除が受けられます。配偶者控除が適用される年間の所得合計額は、以下のとおりです。
年間所得合計額 | |
フリーランス | 48万円以下 |
配偶者 | 1,000万円以下 |
条件を満たしている場合は、納税者本人の所得金額に応じた控除が受けられます。例えば、納税者本人の合計所得金額が900万円以下なら、38万円の控除が受けられます。
控除額は、以下の表のとおりです。
控除を受ける納税者本人の合計所得金額 | 控除額 | |
一般の控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者 | |
900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
900万円超 950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
950万円超 1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
扶養に入るフリーランスの所得合計額が48万円を超え、133万円以下である場合は、配偶者控除が受けられません。ただし、配偶者特別控除が受けられます。
配偶者特別控除の額は、フリーランスの所得合計額と納税者本人の所得合計額によって変動します。
控除を受ける納税者本人の合計所得金額 | ||||
900万円以下 | 900万円超 950万円以下 | 950万円超 1,000万円以下 | ||
配偶者の合計所得金額 | 48万円超 95万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
95万円超 100万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 | |
100万円超 105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | |
105万円超 110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | |
110万円超 115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | |
115万円超 120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | |
120万円超 125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | |
125万円超 130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | |
130万円超 133万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
税負担の軽減のために扶養に入る場合は、配偶者控除と配偶者特別控除のどちらに該当するかを把握しておきましょう。配偶者特別控除の場合は、合計所得金額によって控除額が変動するので、十分な税負担の軽減が見込めそうか確認しておきましょう。
2. 社会保険の扶養に入る場合
フリーランスが社会保険の扶養に入る場合、親族の対象範囲やフリーランスとしての年間収入額の要件を満たさなければなりません。社会保険の扶養控除の対象範囲は、家計を支えている配偶者もしくは扶養者の3親等内の親族にあたります。
しかし、3親等の親族でも以下のように扶養者と同居しているかどうかで対象範囲が異なるため、注意が必要です。
扶養者と同居していなくても入れる人 | ・配偶者 ・実の子ども、養子、兄弟姉妹、孫 ・実の両親、養父母、祖父母、曾祖父母 |
扶養者と同居している必要がある人 | ・義父母 ・内縁の配偶者、両親、連れ子 |
社会保険の扶養に入るには、フリーランスとしての年収も関係します。年収が130万円未満で(60歳以上または障害者であれば180万円未満)であることが条件です。フリーランスは年収から経費を差し引く必要があるので、計算するときに注意が必要です。所得から経費や控除を引いた金額が130万円未満になれば、扶養に入れます。また社会保険の扶養に入るのは、以下の条件を満たす必要があります。
- 同居している場合は扶養者の収入の半分以下であること
- 別居の場合は収入が扶養者からの仕送り額未満であること
収入は働いて得るだけではなく、公的年金や出産手当なども含まれるので要注意です。扶養者が加入している健康保険によって扶養に入れる条件が異なります。扶養者が加入している保険の、扶養に入るための条件は必ず確認しましょう。
フリーランスが扶養内で働く2つのメリット
フリーランスが扶養内で働くメリットは、以下の通りです。
- 世帯の税負担が軽くなる
- 社会保険料が安くなる
順番に解説します。
1. 世帯の税負担が軽くなる
フリーランスが扶養内で働くと、世帯の税負担が軽くなります。所得税法上、なぜなら、配偶者控除・配偶者特別控除で課税所得金額が少なくなり、所得税や住民税の負担額が小さくなるためです。
扶養に入るフリーランスと配偶者のどちらもが、年間の所得合計額の条件を満たせば、配偶者控除が受けられます。配偶者控除が適用される年間の所得合計額は、以下のとおりです。
年間所得合計額 | |
フリーランス | 48万円以下 |
配偶者 | 1,000万円以下 |
条件を満たしている場合は、納税者本人の所得金額に応じた控除が受けられます。例えば、納税者本人の合計所得金額が900万円以下なら、控除額は38万円です。
扶養に入るフリーランスの所得合計額が48万円を超え、133万円以下である場合は配偶者控除は適用されませんが、配偶者特別控除が受けられます。
配偶者特別控除の額は、フリーランスの所得合計額と納税者本人の所得合計額によって変動します。例えば、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が900万円以下で、配偶者が48万円超かつ95万円以下なら、控除額は38万円に。
合計所得金額によっては、年間で数十万円の控除が受けられます。フリーランスで扶養に入るなら、手取りが最も高くなるように所得金額を調整しましょう。
出典:国税庁|No.1191 配偶者控除、国税庁|No.1195 配偶者特別控除
2. 社会保険料が安くなる
フリーランスが家族の扶養に入れば、健康保険や年金の支払いが不要になります。なぜなら、配偶者の厚生年金と健康保険に加入できるためです。
扶養に入ることで、家計への負担を軽減できるでしょう。特に、フリーランスとしての収入が少ない場合は、手取りが増える可能性があります。
毎月数万円程度の節約につながることもあるので、加入条件を満たしている場合は扶養に入った方が良いでしょう。
フリーランスが扶養内で働く2つのデメリット
ここでは、フリーランスが扶養内で働くデメリットを紹介します。
- 世帯年収を増やしにくい
- 受けられる仕事が制限される
メリットよりもデメリットの方が大きい場合は、扶養に入らない方がよいでしょう。扶養に入ってから後悔しないためにも、ここでしっかり確認しておきましょう。
1. 世帯年収を増やしにくい
フリーランスとして働く方は、扶養に入る条件を満たすために、収入を抑える必要があります。なぜなら、扶養に入る条件として年間合計所得金額の上限が定められているためです。
例えば、フリーランスの所得が100万円を超えると住民税、103万円を超えた場合は所得税が発生します。また、130万円を超えると、社会保険に加入しないといけません。
収入が増えることで、結果として手取りが減る可能性もあります。フリーランスの所得が150万円を超えると配偶者控除、210万円を超えると配偶者特別控除も受けられなくなります。
フリーランスとして年収200万円以上稼げるのであれば、扶養に入る必要はないでしょう。
2. 受けられる仕事が制限される
配偶者控除などを受けるために扶養に入る場合は、受注する仕事を制限する必要が出てくることがあります。特に、高収入が見込める大きな仕事を受注すると、社会保険に加入したり所得税が発生したりして、扶養に入るメリットが小さくなるので要注意です。
扶養に入るメリットを意識するほど、魅力的な仕事の相談があるたびに断るかどうかを考えることに。大きなプロジェクトに参加できず、スキルアップが図れないこともあるでしょう。
いずれはフリーランスとしてしっかりと稼ぎたいと考えているなら、扶養から外れることも検討するのがおすすめです。
フリーランスが扶養内で働く際の2つの注意点
ここでは、フリーランスが扶養内で働く場合の注意点を解説します。
- 確定申告をする必要がある
- 申請手続きをする必要がある
順番に確認しましょう。
1. 確定申告をする必要がある
個人事業主やフリーランスで活動しており、事業所得を得ていたら確定申告を行わなければなりません。しかし所得が48万円以下の場合は、確定申告が不要となっています。
所得とは収入から経費を引いた金額のことを指し、入ってくる総額とは異なります。フリーランスは、売上高から経費を差し引いたのが所得です。
例えば収入が1年で400万円あったとしても、経費で360万円使っていたら所得は40万円となり、確定申告は不要となっています。48万円以上の所得があるのに確定申告をせず税金を支払わなかった場合、罰則を受けるため注意が必要です。
確定申告をして赤字となってしまった場合でも、青色申告の申請をしている人なら赤字(欠損金)を翌年以降3年間、繰越できます。繰越した場合、翌年以降の所得から赤字分を控除できるため、所得税の軽減が可能です。
扶養内であっても、事業所得が48万円を超えたら確定申告を行いましょう。
2. 申請手続きをする必要がある
フリーランスが扶養に入って働く際には、配偶者が勤める会社を通して以下の書類の提出が必要です。
- 健康保険被扶養者(異動)届
- 国民年金第3号保険者関係届
双方の書類は、日本年金機構に提出します。電子申請や窓口に持参するなど、複数の申請方法から選択可能です。添付書類として、以下の書類も提出しなければなりません。
- 住民票の写し
- 被扶養者の戸籍謄(抄)本
- 直近の確定申告書の写し
また被扶養者と別居している場合は、仕送りを確認できる書類も必要です。婚姻関係にない場合は、内縁を確認するための書類も必要になります。自身の状況に合わせて、必要な書類を準備してから申請を行ってください。
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