【要チェック】インボイス制度とフリーランスの関係性は?事業者への影響や取るべき5つの対策を徹底解説

「そもそもインボイス制度って何?」
「フリーランスとの関係性は?」
「具体的にどんな対策をすればいいの?」
このように悩んでいないでしょうか?

インボイス制度の導入でフリーランスは大きな影響を受けるため、しっかり理解して対策する必要があります。

しかし、制度の概要や取るべき対策について調べても、わかりやすい情報が見つからず困っている方が多いのではないでしょうか。

インボイス制度による仕事への影響や、税金関係で損をしない方法も気になりますよね。

そこでこの記事ではインボイス制度について、具体例を用いながら徹底的にわかりやすく解説していきます。

  • インボイス制度の概要
  • 関係があるフリーランスの種類
  • フリーランスへの影響
  • 取るべき5つの対策
  • よくある2つの質問

インボイス制度を理解して、自分が取るべき対策を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

フリーランス必見のインボイス制度とは?概要や関係性を解説

そもそもインボイス制度とは、どのような仕組みなのでしょうか。こちらでは、インボイス制度の全体像を解説します。

  • インボイス制度の概要
  • フリーランスとの関係性

それぞれ詳しく見ていきましょう。

インボイス制度の概要

そもそもインボイスとは、適格請求書と呼ばれる国が指定した書類を意味します。

インボイス制度は、適格請求書で国に提出された消費税のみが、経費として計上できるという制度です。

ちなみにインボイス制度における消費税とは、消費者が買い物で店に払う税金ではなく、事業者が物を仕入れるときに納めるものを指します。

消費税の簡単な仕組みは、以下の通りです。

  • 事業者が仕入れ先から物を買う(消費税10%)
  • 事業者は物を顧客に販売する(消費税10%)
  • 事業者はもらった税金と払った税金の差額を国に納める

例えば、事業者がフリーランスから1,100円(税込)で物を購入し、顧客に2,200円(税込)で販売したと仮定します。

この場合「顧客からもらった200円-フリーランスに払った100円」で、事業者は差額の100円を消費税として国に納めるのです。(仕入税額控除)

以前までは事業者が消費税を国に納めるときに、請求書の指定はありませんでした。

しかし、インボイス制度の導入によって、適格請求書を発行するために登録が必要になり、限られた事業者のみが消費税を計上できるようになります。

まとめると、消費税を納めるためには登録が求められて、かつ国が指定した書類を使う必要があるのがインボイス制度です。

フリーランスとの関係性

フリーランスは、インボイス制度の導入によって影響を受けます。

具体的には、インボイス制度に登録しないと”仕入税額控除”が適用されなくなってしまい、仕事が減る恐れがあります。

仕入税額控除とは事業者が納税するときに、仕入れ先に払った税金と顧客からもらった税金の差額を納める方式です。

インボイス制度では、適格請求書によってのみ仕入税額控除が適用されます。

先ほどの例では、事業者がフリーランスから1,100円(税込)で物を購入し、顧客に2,200円(税込)で販売したと仮定しました。

この場合、いままでは差額の100円分を消費税として納付していましたが、適格請求書のないフリーランスに発注した場合、200円すべてを納めなくてはなりません。
つまりインボイスによって、事業者の負担が大きくなる可能性があるのです。

すると事業者は「適格請求書が発行できない(インボイスに対応していない)フリーランスには発注しない」という流れになってしまいます。
仕事がなくなる恐れがあるのは、フリーランスにとって重大な問題です。

では次の見出し以降で、適格請求書を発行できる事業者とできない事業者の違いについて、詳しく見ていきましょう。

インボイス制度に関わるフリーランスとは?2つの事業者別に解説

ひとことでフリーランスといっても、事業者の種類でインボイス制度による影響度が異なります。こちらでは、インボイス制度を理解するうえで欠かせない2種類の事業者を見ていきましょう。

  • 免税事業者
  • 課税事業者

それぞれの特徴だけでなくメリットも解説するので、ぜひ合わせて確認しておいてください。

免税事業者

免税事業者とは、以下のいずれかの条件に該当する方です。

  • 2年前の課税売上額が1,000万円以下
  • 昨年の1月1日~6月30日に課税売上額が1,000万円以下

例えば、今年フリーランスになったばかりの方は、免税事業者といえます。つまり、フリーランスになって間もない方や、売上が少ない方は免税事業者です。

免税事業者のメリットは、顧客からもらった消費税を納税する義務がないことです。

ただし、免税事業者はインボイス制度に登録できず、適格請求書も発行できません。
そのため事業者から見て「仕事を発注しにくい存在」になる可能性があります。

課税事業者

課税事業者とは、以下の条件に該当する方を指します。

  • 2年前の課税売上額が1,000万円超
  • 昨年1月1日~6月30日に課税売上額が1,000万円超
  • 税務署に消費税課税事業者選択届出書を提出

免税事業者と異なり、課税事業者には消費税を納税する義務があります。

そして課税事業者は適格請求書を発行することが可能なので、従来やり取りをしている請求書を変更するだけで、インボイスへの対応が可能です。

また、課税事業者のメリットは、顧客からもらった税金よりも仕入れ先に払った税金が高い場合に、消費税の還付を受けられます。

消費税の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

インボイス制度によるフリーランスへの影響3つ

インボイス制度によって、フリーランスが受ける影響は大きく以下の3つです。

  1. 消費税によって売上が減る
  2. 取引先が減る
  3. 課税事業者への転換が求められる

特に影響を受けるのは、免税事業者のフリーランスといえます。思わぬ事態が起きてからでは遅いので、しっかり確認しておきましょう。

1.消費税によって売上が減る

免税事業者の場合、インボイス制度の導入によって売上が減る可能性が高いです。

課税事業者同士の取引では、適格請求書を発行できるため仕入税額控除が適用できます。

しかし、取引相手の片方が免税事業者だと適格請求書を発行できないため、課税事業者の納税額が増えてしまうのです。

そのため免税事業者のフリーランスは、取引先の課税事業者から、仕事の報酬を消費税の分だけ安く要求される可能性があります。

また、免税事業者から課税事業者に転換した場合でも、消費税を納税する義務が発生するため、売上が下がってしまうのです。

いずれのケースにおいても、免税事業者はインボイス制度で売上が減ってしまうと考えられます。

2.取引先が減る

免税事業者の場合、インボイス制度の導入で取引先が減ってしまう方がいるでしょう。

なぜなら、インボイス制度に登録している事業者同士で取引する機会が増えるからです。

前述した通り、免税事業者は適格請求書を発行できないので、仕入税額控除を受けられません。
そのため、課税事業者は免税事業者との契約を打ち切り、他のフリーランスに仕事を依頼する可能性が高いです。

なお、Webライターやエンジニアなどのパソコンを使った免税事業者は物を仕入れませんが、クライアントが課税事業者だと、取引が中止になるケースも考えられます。

免税事業者は取引中の課税事業者に迷惑をかけてしまうため、取引先が限定される点には注意が必要です。

3.課税事業者への転換が求められる

売上1,000万円以下の免税事業者は、課税事業者になるか考える必要があります。

課税事業者になれば適格請求書を発行できるようになり、取引先との関係性を良好に保てるでしょう。

ただし、今までは消費税の支払いが免除されていましたが、課税事業者になると納税の義務が発生する点には注意が必要です。さらに課税事業者には、確定申告や帳簿付けの手間が増えるというデメリットがあります。

なお、すでに課税事業者の方は、インボイス制度に登録して、適格請求書を発行する準備を進めましょう。

インボイス制度の導入でフリーランスが取るべき5つの対策

こちらでは、インボイス制度のためにフリーランスが準備すべきことを解説します。

  1. 実施日を把握する
  2. 取引中のクライアントに確認する
  3. 登録手順を理解する
  4. 請求書の書き方を学ぶ
  5. 簡易課税制度の活用を検討する

1つずつ見ていきましょう。

1. 実施日を把握する

インボイス制度が導入されるのは、2023年10月1日です。

しかし、インボイス制度の開始に間に合わせるには、2023年3月31日までに適格請求書を発行するための登録を申請しなければいけません。

登録の申請を忘れると、2023年10月1日のインボイス制度には間に合わないため、適格請求書を発行できるのは翌年度以降になってしまいます。

2.取引中のクライアントに確認する

自分が免税事業者であるならば、取引中のクライアントに連絡を取って、相手が課税事業者であるか確認するのがおすすめです。

相手が課税事業者なら今後の仕事について質問し、インボイス制度の導入後も継続して取引できるか明確にしましょう。

また、課税事業者からインボイス制度への登録をすすめられる可能性もあります。

インボイス制度が始まると、免税事業者というだけで得意先を失うことが考えられるので、しっかり既存のクライアントに確認しておきましょう。

3.登録手順を理解する

免税事業者がインボイス制度に登録するには、以下の手順を理解することが大切です。

  • 消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者になる
  • インボイス発行事業者の登録を申請する

2023年3月31日以前に適格請求書の登録を申請した場合は、消費税課税事業者選択届出書を提出しなくても問題ありません。

また、インボイス発行事業者に登録するには、e-Taxか郵送の2通りの方法があります。

ただし、免税事業者から課税事業者になる場合、2年間は戻れなくなってしまうので、しっかり検討してから登録しましょう。

4.請求書の書き方を学ぶ

インボイス制度に登録した課税事業者は、適格請求書を発行する義務が発生します。

今までの請求書と書き方が異なり、以下の項目を記載しなければいけません。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名および登録番号
  2. 取引した年月日
  3. 取引の内容
  4. 取引の金額(税込か税抜のいずれか)および適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名

※参考:国税庁(適格請求書の記載事項)

適格請求書の発行事業者になると、登録番号を取得できます。従来の書き方と異なり、登録番号の記載が義務になったので、しっかり確認しておきましょう。

5.簡易課税制度の活用を検討する

簡易課税制度とは、2年前の課税売上高が5,000万円以下の事業者に対して、納税の事務負担を軽減してくれる制度です。

免税事業者から課税事業者になった方には、消費税の納税義務が発生するため、手続きの手間が増えます。

簡易課税制度を活用すれば、仕入税額控除の計算が楽になり、取引にかかる消費税を管理せずに済むのです。

ただし、簡易課税制度の適用を受ける場合は、2年間継続する必要があります。

インボイス制度に関するフリーランスからよくある2つの質問

「インボイス制度の概要はわかったけど、結局自分はどうすればいいの?」と悩む方がいるかもしれません。こちらでは、フリーランスからよくある質問に対して、国税庁の「インボイス制度公表サイト」を参考に回答します。

  1. 免税事業者は登録するべきか?
  2. 今すぐ登録しないといけないのか?

疑問を解決して、インボイス制度に向けて対策していきましょう。

1.免税事業者は登録するべきか?

前提として、インボイス制度の登録は義務ではなく任意なので、個人の判断で決定しても問題ありません。

考え方としては、取引先の状況によって決めるといいでしょう。

例えば、課税事業者の取引先が仕入税額控除を行う場合は、フリーランスもインボイス制度に登録する必要があります。

一方で、クライアントが免税事業者や消費者の場合は、インボイス制度に登録しなくても問題ありません。

2つのケースから、現在の取引先によってインボイス制度の登録を検討するのがおすすめです。

とはいえ、他のフリーランスにインボイス制度の相談をしたいと考える方がいるかもしれません。

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2.今すぐ登録しないといけないのか?

インボイス制度には経過措置が設けられているので、決断が難しい方は登録を先送りにする選択肢もあります。

具体的には、インボイス制度の導入から6年間は、免税事業者などからの仕入れでも一定割合の仕入税額控除が可能です。

  • 2023年10月1日~2026年9月30日は、免税事業者からの仕入れに80%控除できる
  • 2026年10月1日~2029年9月30日は、免税事業者からの仕入れに50%控除できる

ただし、2029年の10月以降は控除ができなくなります。

課税事業者になるか悩んでいる方は、経過措置の期間中に判断してもいいでしょう。

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