フリーランスが屋号を付ける際の5つの基礎知識!決め方のポイントや事例を解説

「フリーランスに屋号は必要なのかな?」
「業種別に屋号の事例を知りたい」
「屋号を付ける際のルールはあるの?」
このような疑問を抱えていませんか?

フリーランスとして仕事を始める際、多くの人が悩むことは「屋号」についてです。
屋号は、会社員として働いてきた方にとって馴染みがないため、必要性や付け方がわからないという方は多いのではないでしょうか

そこでこの記事では、フリーランスの屋号について以下の内容を解説します。

  • 屋号の登録に関する基礎知識
  • 屋号を付けるメリット
  • 屋号を使用する場面
  • 屋号の付け方のポイント
  • 屋号の業種別事例

屋号の付け方に悩んでいる方にとって、すぐに実践できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。

フリーランスの屋号の登録に関する5つの基礎知識

屋号の必要性や登録方法などがわからないという方は、多いのではないでしょうか。こちらでは、屋号の登録に関する5つの基礎知識を解説します。

  1. 屋号とはフリーランスにとっての会社名
  2. 屋号は必須ではない
  3. 屋号の登録は開業届で行う
  4. 屋号はいつでも変更できる
  5. 屋号は2つあっても良い

一つひとつ見ていきましょう。

1.屋号とはフリーランスにとっての会社名

屋号とは、フリーランスにとっての会社名です。

自分が事業を行う際に、本名で活動したくない方も一定数存在します。そこで使われるのが屋号です。

一方で法人の会社名は、正確には「商号」と言います。

事業を行う上での名称は、個人は「屋号」、法人の場合は「商号(会社名)」と理解しておくといいでしょう。

2.屋号は必須ではない

フリーランスの屋号は、必須ではありません。開業届や確定申告書に屋号を記入する欄がありますが、空欄で提出しても問題ありません

フリーランスとして仕事を始めた際に屋号がない場合、個人名で仕事を続けても問題はなく、必要になった際に登録可能です。

3.屋号の登録は開業届で行う

屋号は、税務署に提出する「開業届」への記載を持って登録されます。
開業届とは、事業の開始を税務署に報告する書類です。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」と言います。

開業届けを提出する際に屋号が決まっていない場合は、事業開始後に確定申告書への記載で登録可能です。

4.屋号はいつでも変更できる

開業届に記載した屋号は、いつでも変更できます。変更する場合は、開業届の屋号を記入し「その他参考事項の欄」に「屋号の変更」と記載して再提出します。

また確定申告の際に、変更した屋号を申告書に記載する方法でも構いません。

変更後の屋号が記載された開業届の控えが必要な場合は、再提出を選択すると良いでしょう。

5.屋号は2つあっても良い

屋号は、2種類以上登録しても構いません。複数の事業を行っている場合、2週類以上の屋号を登録しての使い分けが可能です。

2つ目の屋号の登録は、新規の事業を始める際、開業届に記載して税務署に提出します。

また、開業届の「その他参考事項」の欄に「屋号の追加登録」と記載すると、2つ目の屋号であると税務署に伝わりやすくなります。

フリーランスが屋号を付ける3つのメリット

フリーランスの屋号の登録は必須ではありません。しかし、屋号を付けることで様々なメリットがあります。こちらでは、屋号を付けるメリットを、以下の3点から解説します。

  1. 屋号付きの銀行口座を開設できる
  2. 業務内容を理解してもらいやすい
  3. 適格請求書発行(インボイス)事業者公表サイトに記載できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.屋号付きの銀行口座を開設できる

屋号を付けると「屋号+個人名」の銀行口座を開設できます。屋号の付いた口座を開設すると、ビジネス用とプライベート用の資金を区別して管理しやすくなります

多くの金融機関では「屋号+個人名」での登録になりますが、ゆうちょ銀行では「屋号のみ」での口座の開設が可能です。

口座開設の際には、開業届の提出が必要なため、税務署に提出する際には、控えを手元に残しておきましょう。

2.業務内容を理解してもらいやすい

屋号があると、自身が行っている事業内容を他者に理解してもらいやすくなります。法人の場合、会社名からどのような事業を行っているか推測が可能です。

しかし、屋号のないフリーランスの場合、個人名から事業内容を推測できません

また一般的に、屋号は本名よりも覚えやすいため、相手の印象に残りやすいこともメリットの1つです。

3.適格請求書発行(インボイス)事業者公表サイトに記載できる

インボイス事業者として登録している方は申出書を、国税局に提出することで「適格請求書発行事業者公表サイト」に屋号を記載できます。

「適格請求書発行事業者公表サイト」への記載は、自身が「適格請求書発行事業者」であることが、取引相手にとって分かりやすくなるメリットがあります

インボイス制度について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

>>【要チェック】インボイス制度とフリーランスの関係性は?事業者への影響や取るべき5つの対策を徹底解説

フリーランスが屋号を使用する10の場面

屋号は、主に「行政機関」や「取引相手」に提出する書類で利用します行政機関に提出する書類では、主に以下の3点です。

  • 開業届
  • 確定申告
  • 適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書

また仕事のクライアントに対しては、主に以下の5つの書類に屋号を記載します。

  • 契約書
  • 領収書
  • 見積書
  • 請求書
  • 銀行口座開設の際の書類

銀行口座を「屋号+個人名」で開設している場合、請求書などに屋号を記載しておくと、取引相手にとって、振込先と請求書を照合しやすくなります。

また、屋号は以下の営業ツールへの使用も一般的です。

  • 名刺
  • 事業所の看板

屋号は、フリーランスにとっての会社名です。屋号は、署名が必要な書類の作成時に使用すると考えておくと良いでしょう。

フリーランスの屋号の決め方のポイント5選

屋号は基本的には自由につけて問題ありませんが、ルールや効果的な作成のポイントがありますこちらでは、フリーランスの屋号の付け方の5つのポイントを解説します。

  1. 事業内容と関連のある言葉を使う
  2. 既に使われている屋号でも問題はない
  3. 利用できる文字を使う
  4. 法人名や特定業種と勘違いされる言葉は使わない
  5. 長さの制限はないが覚えてもらい安さを考える

事業をスムーズに進めるためにも、ぜひ内容を確認してみてください。

1.事業内容と関連のある言葉を使う

屋号には、事業内容と関連のある言葉の使用がおすすめです。屋号から事業内容が理解できると、クライアントが仕事を発注できる相手かどうか判断しやすくなるためです。

例えば、屋号に「デザイン」という言葉が入っていれば、デザイン業務を行っているとすぐに理解できます。

また、店鋪を持って事業を行っている方は、店舗名と同じ名称の屋号を付けることで、個人と店鋪を結びつけて理解されやすくなるでしょう。

なるべく関連性のある言葉を使って、屋号を考えてみてください。

2.既に使われている屋号でも問題はない

他の人が既に使っている屋号の使用は、認められています。

ただし同じ屋号の使用によって、他者のトラブルに巻き込まれる可能性があるため、区別できる名称を付けることがおすすめです。

また「商標登録」や「商号登録」されている名称は使えないため注意が必要です。
商標は商品やサービスを区別するため、商号は会社名を区別するために法務局に登録されている名称です。

既に登録されている商標を確認するには「特許情報プラットフォーム」が利用できます。また商号は、法務局の「登記・供託オンライン申請システム」から確認可能です。

3.利用できる文字を使う

屋号には、利用できる文字の種類が決まっています。利用できる文字は「漢字・ひらがな・カタカナ・数字・アルファベット(大文字・小文字)・一部の記号」です。

一部の記号とは「,」「.」「-」「&」「・」「’」の6つです。例えば「?」や「!」などは使用できないので注意しましょう。

4.法人名や特定業種と勘違いされる言葉は使わない

屋号には「法人名」や、許認可が必要な「業種」と勘違いされる言葉の使用は避けたほうが良いでしょう。

例えば「株式会社○○」などは、法人名と勘違いされる可能性があります。

また「○○銀行」や「○○証券」などは、許認可が必要な業種と間違われる場合があるため、使用を避けるべきでしょう。

5.長さの制限はないが覚えてもらい安さを考える

屋号の文字列の長さに関する制限はありませんが、覚えてもらい安さへの配慮が必要です。あまりに長すぎる、または短すぎる名称は、覚えてもらいにくく、書類などへの記載にも不便です。

屋号に個性を出すことは大切ですが、覚えてもらいやすい、使いやすい名称を心がけると良いでしょう。

フリーランスの屋号の業種別の事例

こちらでは、屋号の業種別の事例を紹介します。「業種に関する言葉」の前後に、名字や地域名など「固有の言葉」を組み合わせると、シンプルでわかりやすい屋号を付けられます。

ITエンジニアの場合、技術職であることがわかる言葉の使用がおすすめです。ITエンジニアと言っても多様であるため、専門スキルがわかる言葉を付け加えると良いでしょう。

例えば、以下の名称が挙げられます。

  • ○○エンジニア
  • ○○システム
  • ○○制作
  • ○○ラボ
  • ○○サービス開発
  • ○○データサイエンス

デザイナー・イラストレーターは、クリエイティブ系の仕事であることがイメージできる言葉を使用すると良いでしょう。

「Webデザイン」などのように、デザイン分野がわかるとより事業内容が伝わります。具体的には、以下の名称がよく使われています。

  • ○○デザイン
  • ○○工房
  • ○○スタジオ
  • ○○クリエイト
  • ○○Webデザイン

ライター・編集者の場合、ライティングや編集に関する言葉を使うとイメージしやすくなります。例えば、以下の名称を参考にしてみてください。

  • ○○プロダクション
  • ○○ライティング
  • ライター○○
  • ○○オフィス
  • ○○編集部

屋号を付ける際には、こちらで紹介した「業種に関する言葉」を参考に、自身の「固有の言葉」を組み合わせて考えてみてください。

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