「個人事業主で年収を聞かれたらどの金額を答えればいいの?」
「経費も年収に計上するの?」
「どんな時に年収を聞かれることが多いの?」
このような疑問を抱えていませんか?
ローン審査の際などには、必ず年収の記載が必要です。会社員であれば、源泉徴収票の金額をそのまま書けばよいので、あまり難しく考えることがないと思います。
しかし、個人事業主の場合、手元に入る売上金額がそのまま年収になるとは限りません。もし誤った金額を答えてしまった場合には、罰則を受ける可能性もあります。
また、中には今の年収に満足しておらず、より稼ぎたいと考えている人もおられるでしょう。そこで、この記事では、以下の内容について解説します。
- 個人事業主の年収の定義
- 年収を聞かれることが多い場面
- 個人事業主と会社員の年収の計算方法の違い
- 年収を上げる方法
個人事業主の年収の定義や、より稼ぐ方法まで幅広く解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
個人事業主の年収の2つの定義
ここでは、個人事業主の年収の2つの定義について解説します。
- 所得
- 収入金額(売上高)
順番に解説します。
1. 所得
収入から必要経費などを差し引いた金額で、確定申告の所得金額の欄の合計です。多くの場合、個人事業主の年収はこの所得の金額を指します。
クレジットカードやローンの審査の際など、年収を聞かれたら基本的には所得の金額を答えましょう。
また、税金は所得からさらに控除を差し引いた金額で計算が行われます。税率は国税庁のホームページから確認が行え、課税総所得金額や所得の種類に応じて5%から45%までの税率で課税されます。
なお、税務や会計の実務上、収入金額を年収とすることもあるため注意しましょう。
2. 収入金額(売上高)
個人事業主が、事業によって入ってきた売上金額のことです。会社員の給料で例えると、税金などが控除される前の総支給額の部分を指します。
会社員の給料のように、この収入を年収と思う人もおられますが、個人事業主の場合所得で判断されることが多いです。
例えば、2,000万円の収入だったとしても、経費で2,500万円かかっていることもあります。この場合、500万の赤字になるため、収入の金額が大きくても実際にそれだけ儲かっているとは限りません。
個人事業主の年収は、収入ではなく所得で判断されることが多いです。
個人事業主が年収を聞かれる4つの場面
ここでは、個人事業主が年収を聞かれる4つの場面について解説します。
- クレジットカードの審査時
- ローンの審査時
- 賃貸物件の契約時
- 奨学金や児童手当の申請時
一つひとつ見ていきましょう。
1. クレジットカードの審査時
クレジットカードを申し込む際には、カード会社から年収を確認されます。
年収が高いほど返済能力が高いとみなされ、クレジットカードの限度額も高くなります。しかし、クレジットカード会社が重視しているのは、年収の金額ではなく収入が安定しているかどうかです。
実際に、クレジットカードの申し込み条件に「安定した収入がある人」と記載されていることもあります。「年収が高ければよい」ということではないので、気をつけましょう。
また、キャッシング枠の利用を希望する場合は、確定申告書などの収入を証明する書類が必要になってきます。ショッピング枠のみを希望する場合は、必要ありません。
2. ローンの審査時
ローンの審査時は、契約者が滞りなく返済を進められるかを確認するため、年収を聞かれます。国土交通省の令和4年度の民間住宅ローンの実態に関する調査によると、全体の92.9%の金融機関が、融資の際に年収を気にしています。
また、93.2%の金融機関で勤続年数を考慮すると答えています。勤続年数が短いと年収が高くても、返済能力が認められず審査に通らない可能性があるため注意しましょう。
3. 賃貸物件の契約時
賃貸物件契約時も年収は聞かれることが多く、年収が家賃の36倍より低いと審査に落ちやすくなります。
家賃の目安は、月収の3分の1以内とされることが多いです。計算すると家賃の3倍×12カ月で、36倍以上の年収が必要とされる傾向にあります。
そのため、家賃10万円の部屋を借りたいなら、年収は360万円以上が基準です。また、年収が低くても貯蓄がある場合には、支払い能力があると判断してもらえることがあります。
4. 奨学金や児童手当の申請時
子供が進学するときに検討することが多い、奨学金の申請時に年収を聞かれることが多いです。
奨学金は、保護者の年収によって受給できる金額が大きく変わります。特に、返済が不要な給付型奨学金では、年収が重視される傾向にあります。
また、児童手当を希望する場合にも、所得の証明が必要です。希望者の年収や扶養親族の数によって、所得制限限度額が変わります。
個人事業主が年収を聞かれて金額を誤ると罰則を受ける可能性がある
個人事業主が年収を聞かれた際に、誤った金額を答えてしまうと、追加で課税されたり罰則を受ける可能性があります。誤った金額を答えてしまった際に、課税されるものは主に以下の3つです。
- 過少申告加算税
- 無申告加算税
- 延滞税
所得隠しよりもペナルティは軽めになっていますが、ローン審査や補助金が申請できなくなるため可能性があるため注意しましょう。
なお、あまりにも大きい金額で間違えてしまうと、加算税に加えて刑事罰が科されるケースもあります。確定申告など、年収の計算に不安を抱えている場合は、税理士に手続きを代行することも1つの手段です。
年収を聞かれた際などに、誤った金額を答えないようにしましょう。
個人事業主と会社員の年収の計算方法の違い
会社員と個人事業主では、経費の関係より年収の計算方法が異なります。
会社員の場合、その年の1月1日から12月31日までに支給された、年間の給与と賞与の額面合計が年収です。年末に勤務先から発行される、源泉徴収票での支払金額の項目でも確認できます。
個人事業主の場合、売上から仕事をするために必要な経費などを差し引いた所得が年収になります。純粋に売上金額がそのまま年収になるとは限らないため、注意しましょう。
個人事業主が経費にできるものの一例は以下の通りです。
- 広告宣伝費
- 消耗品費
- 家賃
- 旅費交通費
- 水道光熱費
- 通信費
例えば、年間に1,000万円の収入があっても、経費で1,200万円かかっている場合と200万円では大きく変わってきます。前者であれば200万の赤字ですが、後者であれば800万の黒字になります。
同じ収入でも、経費の変動で大きく年収が異なってくるため、注意が必要です。なお、多くの場合、個人事業主が必要経費を計上するには、支払いを客観的に証明できる領収書などの書類が必要になります。
個人事業主の平均年収は491万円
国税庁が調査した令和3年の「申告所得税標本」によると、事業所得者の平均年収は491万円でした。所得の金額なので、計上する経費によって年収は大きく変わります。
例えば、自宅で仕事をしている場合、家賃や光熱費の一部を経費として計上できるため、同じ収入でも所得が低くなります。また、個人事業主の場合、毎月均等な金額が入るのではなく、月収にバラつきがあることが多いです。
さらに、業務委託契約のうち請負契約の場合は、成果物の完成をもって報酬が支払われます。契約内容によっては成果物の完成まではお金が入らず、数か月後に入金があるといった場合もあります。
特定の12ヶ月を対象とした調査では、正確な年収の平均を取ることは難しいため、実態とズレている可能性もあるでしょう。
個人事業主が年収を上げる5つの方法
ここでは、個人事業主が年収を上げる5つの方法を解説します。
- 稼働時間を増やす
- コストを下げる
- 単価を上げる
- 営業力を上げる
- スキルを磨く
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1. 稼働時間を増やす
休む時間を減らし、稼働時間を増やし多くの案件をこなすことで、年収アップにつなげる方法です。
会社員だと、勤務先で給与が決められており、変動することはほとんどありません。しかし、個人事業主は会社員と違い、稼働率を上げて成果につなげれば、その分収入を伸ばせます。
例えば、会社員で給料に変動があるときは残業などの手当てが付く際や、賞与が支給されたときなどです。個人事業主の場合、給与など決められておらず成果を出した分収入につながります。そのため、前月と比較したときに、20万円以上稼げる場合もあります。
ITプロマガジンの調査によると、フリーランスの週の稼働時間は40時間前後と回答した人が約50%です。稼働時間を増やせば、それだけプライベートに使える時間が減りますが、年収を上げるためには重要なことです。
しかし、自分を酷使して体調を崩すと収入がなくなる可能性があります。個人事業主は、自分の体が資本になるため、無理なく働ける時間を理解して追い込み過ぎないようにしましょう。
2. コストを下げる
日用品など小さなコストを見直し、無駄遣いを減らせば年収を上げられます。
個人事業主は仕事に必要なものは経費として計上できますが、無駄遣いは禁物です。また、細かな出費を抑えることができれば、収入は同じでも所得を増やせます。
節約できるものとしての一例は以下の通りです。
- 家賃の低い物件に住む
- 印刷物を白黒コピーにする
- 消耗品を最低価格のものにする
- 書類をペーパーレス化する
ちょっとしたことでも、続けていくことで大幅なコストカットができます。細かい部分にも目を向けて、利益率を上げられれば年収を増やせます。
3. 単価を上げる
個人事業主になって年収を上げていくには、請け負う仕事の単価を上げていくことも重要です。
チームで仕事をこなしていく会社とは違い、1人で動いている個人事業主は、単価を上げていかなければ年収を上げることは難しいです。常に色んな場所に営業し、1円でも単価が高い案件を獲得したり、今仕事をしている取引先との単価交渉など行っていくとよいでしょう。
例えば、今まで1件5,000円で受けていた案件の単価交渉を行えば、8,000円になる可能性もあります。同じように1つの案件をこなしても3,000円変わるため、同じ時間内でより効率的に稼げるようになります。
個人事業主で年収を上げるためには、1円でも単価を上げられるように意識しましょう。なお、単価を上げるにはそれ相応のスキルを身につけるなど、今まで以上に価値提供しないといけない点は忘れないでください。
4. 営業力を上げる
年収を上げるためには、営業力を上げよりよいクライアントを見つけることも重要です。
スキルだけが高くても、単価や年収を上げられるようになるとは限りません。営業力が低く、自分のことを上手く伝えられなければ、年収をあげることは難しいでしょう。
営業の際には、自分のスキルや経験が、クライアントにとってどのように役立つかを、的確にアピールすることが大切です。ここで、他のライバルにはない、自分の強みや魅力を上手く伝えられると非常に効果的です。
例えば、クライアントがビジネス系の動画編集者を募集していた場合、過去に自分で作った動画のポートフォリオを見せられるとよいでしょう。また「計画的にスケジュール管理をしているため、納期に遅れたことは一度もありません」など、強みをわかりやすく伝えることが大切です。
営業力をあげ、自分のスキルや実績を上手く伝えられるようにしましょう。なお、オフラインイベントなどに積極的に参加すると、フットワークの軽さや行動力が評価されて、信頼を得られるためおすすめです。
5. スキルを磨く
専門性を深めて、難易度の高いニーズに応えられるようスキルアップすることも、年収を上げるためには重要です。
専門知識を身につけた個人事業主は市場価値が高く、条件のよい案件を獲得できるようになります。自分が携わっている業界に対して常にアンテナを張り、需要が高いスキルを身につけることが大切です。
例えば、プログラマーとして働いている場合、コーディングだけができる人より、要件定義など上流工程も巻き取れる人に需要があります。他にも、1つのプログラミング言語だけでなく、複数の言語を扱えるようになるとよいでしょう。
専門知識を深めたり、周辺領域のスキル磨いて対応できる案件の幅が広れば、年収アップにつながります。
なお、個人事業主でスキルアップを図りたい人は、人生逃げ切りサロンへの加入をご検討ください。月額2,480円でのマーケティングや動画編集など、さまざまな稼げるスキルを身につけられます。
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