【必見】国内外10社のリスキリングの事例!推進するメリットや成功させるコツを解説

「社員に新たなスキルを身につけさせて生産性の向上を図りたい」
「ほかの企業はどんなリスキリングに取り組んでいるのだろうか」
「リスキリングを成功させるコツを知りたい」

と、お悩みの方がいるのではないでしょうか。

近年では、多様な働き方の実現や社員の意識が変化した影響から、リスキリングが注目を集めています。リスキリングが成功すれば、採用コストが削減できるなど、企業にとってメリットが大きいです。

しかし「どんなリスキリングを取り組めばいいかわからない」という方もいるでしょう。そこで本記事では、リスキリングについて以下の内容を解説します。

  • 国内外のリスキリング事例
  • リスキリングを推進するメリット
  • リスキリングを成功させるコツ

自社でリスキリングを取り組もうと考えている方は、ほかの企業が取り入れている事例も参考にしてみてください。

国内7社のリスキリング事例

ここでは、国内でリスキリングを実施している以下の7社の事例を紹介します。

  1. 富士通株式会社
  2. 三菱商事株式会社
  3. 株式会社日立製作所
  4. LINEヤフー株式会社
  5. JFEスチール株式会社
  6. ヤマト運輸株式会社
  7. 日産自動車株式会社

同じ業態がある場合は、どのようなリスキリングに取り組んでいるか、重点的に確認しておきましょう。

1. 富士通株式会社

富士通株式会社は、国内のグループ企業に在籍する約12万人に対して、リスキリングを実施すると発表しています。

AIやクラウド技術など、新しい技術を中心にリスキリングを実施しており、将来的な人材ニーズに対応することが目的です。

リスキリングへの投資額は、2020年からの5年間で5,000億〜6,000億円になるともいわれています。多額の費用をかけてリスキリングを行っている事例です。

自社独自のデジタルラーニングプラットフォームを活用して、社員が自分のペースで学べる環境を整えています。

2. 三菱商事株式会社

三菱商事が実施したリスキリングへの取り組みは、ITデジタル研修の新設です。

全社員向けIT・デジタルリテラシー講座を導入しており、約70時間、16講座を全社員に向けて提供しています。

座学だけでなく、実際のDXプロジェクトへの参加も推進しており、実践的な内容も取り入れている事例です。

2022年の年間研修受講者数は10,000人を超えており、リスキリングが進んでいる企業といえるでしょう。(参考:三菱商事「人材育成・エンゲージメント強化」)

3. 株式会社日立製作所

日立製作所では、国内グループ企業の全社員に対して、DXの基礎に関する指導を実施しています。

2019年4月には、グループ会社として「日立アカデミー」を設立して、デジタル人材の育成を進めている事例です。

日立アカデミーでは、DX促進のための人材育成やDXのリテラシー研修などの、プログラムが用意されています。

これらは日立製作所の関係者以外も、受講可能な講座です。

4. LINEヤフー株式会社

LINEヤフー株式会社では、AIを業務で活用できる人材を育成するためのリスキリングを実施しています。

2021年7月に以下の企業のボードメンバーが参加し、AI人材育成コミュニティー「Z AIアカデミア」を発足しました。

  • ヤフー
  • LINE
  • 一休
  • アスクル
  • ZOZOグループ

Z AIアカデミアでは、グループ各社の最新AI導入事例の共有などを行います。また2021年9月からは、AIを学びたいグループ各社の文系社員を対象に、半年間の実践型プログラム「Z文系AI塾」を開催しました。

半年間で、AI人材として必要な以下の7つのスキルを習得できるプログラムとなっています。

  • AI人材マインド
  • AI基礎用語力
  • AI構造理解力
  • AI事例収集力
  • AI企画力
  • AI目利き力
  • AIマネジメント力

文系社員674名に絞って、AIを使いこなせる人材を育成するためのプログラムを開催しています。

5. JFEスチール株式会社

JFEスチール株式会社は、データサイエンティストを育成するため、以下の階層別にリスキリングを実施しています。

  • DS先駆者
  • DS伝道者
  • DS活用者
  • DS利用者

eラーニングを用いたリテラシー教育も実施しており、会社内でデータを正しく扱える人材の強化・育成を目指している事例です。

JFEスチール株式会社では、実際にリスキリングを受けた社員が成果を上げています。自社商品の品質改善に取り組む社員が、データ分析の結果をもとに、品質検査での合格率をアップさせたと発表しています。

リスキリングの実施が、きちんと社員の成長につながっている事例といえるでしょう。

6. ヤマト運輸株式会社

ヤマト運輸株式会社は、2021年4月に「ヤマトデジタルアカデミー」を立ち上げ、社員へのリスキリングを実施しています。

社内から30人ほど選抜して、約2ヶ月間で、プログラミングやデータサイエンスの教育を行うプログラムです。3年で1000人の専門人材を育てることを目標に掲げています。

従来のエクセルなどで行っていた「配送状況」などを、データ管理するためにリスキリングを実施している事例です。

7. 日産自動車株式会社

日産自動車株式会社では、車作りに不可欠なソフトウェアの知識を学ぶ「ブートキャンプ」を実施しています。

研修で使われるテキストは14冊で、2000ページ以上にも及びます。内容が極めて専門的なため、ソフトウェアに知見のある社員を対象にリスキリングを実施している事例です。

4ヶ月間の研修では、自動車開発向けソフトウェアの基礎から始まり、MBDや量産ソフトの開発までを短期集中で学習します。

日産自動車株式会社は、2017年からソフト専門のブートキャンプを続けています。1000人の専門人材を育成することを、目標に掲げている企業です。

国外3社のリスキリング事例

ここでは、国外でリスキリングを実施している事例を3社紹介します。

  1. Amazon
  2. AT&T
  3. Walmart

海外でのリスキリングの取り組みも、参考にしてみてください。

1. Amazon

Amazonでは、リスキリングに対して1人あたり75万円を投資することが発表されています。2025年までに、社員1万人のリスキリングを実施することを、2019年7月に発表しました。

Amazonでは、以下の目的を達成するためにリスキリングを実施しています。

  • ITエンジニアの高度スキル習得
  • 非技術系人材の技術職への移行

Amazonは、大規模なリスキリングの実施が計画されている企業といえるでしょう。

2. AT&T

AT&Tは、リスキリングの先駆者といわれている企業です。

2008年に行った社内調査で、社員25万人のうち、事業に必要なサイエンスやエンジニアリングのスキルを持つ人は、約半分に過ぎないと判明しました。そこで2013年から「ワークフォース2020」といわれる、リスキリングをスタートしています。

2020年までに10億ドルを投資して10万人の従業員のリスキリングを行うことを目指しました。AT&Tではリスニングを実施するために、以下のような環境を整えています。

  • キャリア開発支援ツール「キャリアインテリジェンス」の提供
  • オンラインの訓練コースの開発と提供
  • ワンストップ学習プラットフォーム「パーソナル・ラーニング・エクスペリエンス」の提供

リスキリングに参加する社員は、そうでない従業員と比べ、年度末に1.1倍高い評価を受けています。また1.7倍昇進しており、離職率は1.6倍低いという結果が出ています。

3. Walmart

Walmartでは、以下のようなVRを活用した擬似体験を実施して、スキルアップを図っています。

  • 年間のレアイベント
  • 災害対応

2018年には、VR設備を約1万7,000台導入し、実践的な知識やスキルを身につけるためのプログラムを導入しました。

VR設備では、Walmartのピックアップタワーの操作方法をバーチャル上で学習可能です。小売りのDX化を目的としたリスキリングを実施しています。

リスキリングを推進する3つのメリット

ここでは、リスキリングを推進する以下の3つのメリットについて解説します。

  1. 業務の効率化につながる
  2. 採用コストを削減できる
  3. 自発的に働く社員の増加につながる

リスキリングで社員がスキルを身につければ生産性が向上するため、企業にとって大きなメリットとなるでしょう。

1. 業務の効率化につながる

リスキリングで獲得したスキルを活かせば、業務の効率化につながります。

例えば、業務の効率化で社員にとって以下のようなメリットがあります。

  • 新しい業務に時間を使える
  • 残業時間が少なくなる

新しい業務に挑戦できたり、残業時間が減ったりと、社員にとってメリットが大きいです。また業務を効率化できれば、残業代の削減にもつながるため、企業にとっても大きなメリットとなります。

企業と社員の両方の満足度を高めるために、リスキリングの取り組みは有効です。

2. 採用コストを削減できる

リスキリングを行い、社員を育成することで、採用コストの削減につながるでしょう。事業に理解のある既存の社員にリスキリングを実施すると、身につけた知識やスキルを業務に活かしやすいです。

近年の少子高齢化の影響で、新たな人材獲得が難しくなっています。しかし給与の面で他社との差別化を図ろうとすると、採用コストが上がってしまいます。

リスキリングで既存の社員に知識やスキルを身につけてもらえば、新たな人材の確保が必要ありません。採用にかけていた時間を、ほかの業務に使えるようになるでしょう。

3. 自発的に動く社員の増加につながる

リスキリングを実施すれば、自発的に動く社員の増加につながるでしょう。

リスキリングで身につけた知識やスキルを使って、活躍する社員が出てくるためです。活躍を目の当たりにすると「自分も受けてみたい」と考える社員が増加します。

リスキリングを実施した対象社員以外の人の行動も促せるでしょう。相乗効果で、たくさんの社員のスキル向上が期待できます。

リスキリングを成功させるための4つのコツ

条件のイメージ

ここでは、リスキリングを成功させるためのコツを4つ紹介します。

  1. 社員にリスキリングの重要性を理解してもらう
  2. 社外のサービスを利用する
  3. 最適な手法を選定する
  4. 習得したスキルを活かす機会を与える

リスキリングを実施する前に、目を通しておきましょう。

1. 社員にリスキリングの重要性を理解してもらう

リスキリングを成功させるためには、社員に新しい知識やスキルを身につけることの重要性を理解してもらいましょう。

重要性を理解している社員は、積極的にリスキリングに取り組んでくれる可能性が高まります。またリスキリングの対象社員には、別で報酬を与えるなどの対策が必要です。メリットがなく仕事が増えただけでは、不満が溜まってしまうでしょう。

さらに対象社員以外にも、リスキリングの重要性を説明しましょう。リスキリングを受ける人への協力体制ができるため、対象社員は新たなスキル習得に集中して取り組めます。

2. 社外のサービスを活用する

社外サービスを活用することも、リスキリングを成功させるコツの1つです。

リスキリングの実施は、今回が初めてという企業は多いのではないでしょうか。事例を参考にして、早速リスキリングに取り組もうと考えている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、すべて会社内でリスキリングの計画や運用するのは簡単ではありません。特に学習カリキュラムの構築を一から行うのは大変です。

もしオンラインでのリスキリングを検討している方がいらっしゃるなら、オンクラスの利用がおすすめです。

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3. 最適な手法を選定する

リスキリングを成功させるためには、自社の社員にとって最適な手法の選定が必要です。例えばリスキリングには、以下のような手法があります。

  • 紙媒体
  • セミナーや講座
  • オンライン学習

自社の社員に習得させるべきスキルの学習に、適してるどうかで手法を選びましょう。

対象社員の意見も取り入れて、無理なく取り組める学習方法を模索してみてください。事例を見ながら、自社と似ている企業を参考にするのもおすすめです。

4. 習得したスキルを活かす機会を与える

社員に対してリスキリングを実施したら、習得したスキルを業務に活かす機会を与えましょう。リスキリングを実施しても業務に活かせなければ取り組んだ意味がありません。

そのため、身につけた知識やスキルを業務の中で実践する機会を用意しておくことが大切です。また実践した後にフィードバックを行えば、社員のさらなるレベルアップが期待できます。

実施した後のアフターフォローで、身につけた知識やスキルがさらに磨かれるでしょう。

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