卸売業はなくならない|統計が示す減少の実態と食品卸売業が残る理由

「卸売業は将来なくなるのではないか」
と不安を感じている方は多いはずです。

D2CやECの普及でメーカーと消費者が直接つながる機会は増えていますが、卸売業が完全になくなる可能性は低いと考えられます。

一方で、商品を仕入れて小売店へ流すだけの従来型のビジネスは、今後さらに厳しくなるでしょう。

つまり、卸売業はなくなるというより、求められる役割が変わっていくと捉えるほうが実態に近いといえます。

この記事では、公的統計をもとに卸売業の現在地を確認したうえで、減少しているといわれる理由、食品卸売業の今後、これからも必要とされる卸売業の特徴を解説します。

卸売業の役割や業界の将来性を把握したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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ワンダフルワイフ株式会社 編集部
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卸売業は今後なくなる?

卸売業は今後なくなる?

結論から言うと、卸売業が完全になくなる可能性は低いです。

ただし、メーカーと小売業を「つなぐだけ」の従来型の卸売業は、D2C・SPA・ECの普及によって役割を失う可能性があります。

これからの卸売業には、物流や在庫管理、情報提供など、単なる仲介以外の価値がより強く求められると考えられます。

まずは、実際の統計で現在地を確認しましょう。

卸売業の事業所数は減少している

卸売業の事業所数は、この10年ほどのあいだ減少が続いています。

総務省・経済産業省「経済センサス‐活動調査」によると、卸売業の事業所数は以下のように推移しています。

調査年事業所数従業者数
平成24年(2012年)37万1,663事業所382万1,535人
平成28年(2016年)36万4,814事業所394万1,646人
令和3年(2021年)34万8,889事業所385万6,785人
出典:総務省・経済産業省「平成28年経済センサス‐活動調査 産業別集計(卸売業,小売業に関する集計)結果の概要」「令和3年経済センサス‐活動調査 産業別集計(卸売業,小売業に関する集計)結果の概要

ここで注目したいのは、事業所数と従業者数の動きが逆になっている点です。

平成24年から平成28年にかけて、事業所数は1.8%減った一方、従業者数は3.1%増えました。

これは、卸売業で働く人が減ったのではなく、卸売業を営む会社や拠点の数が減ったということ。

小規模な事業者が姿を消し、一定規模以上の企業に人と機能が集まっている、という見方ができます。

一方で「市場規模が縮小し続けている」とは言い切れない

事業所数は減っていますが、卸売業の市場そのものが一貫して縮んでいるとは、統計からは読み取れません。

その根拠が、年間商品販売額の推移です。

対象年卸売業の年間商品販売額
平成23年(2011年)340兆4,378億円
平成27年(2015年)406兆8,203億円(前回比+19.5%)
令和2年(2020年)389兆3,883億円
出典:総務省・経済産業省「平成28年経済センサス‐活動調査」「令和3年経済センサス‐活動調査」

平成23年から平成27年にかけて、卸売業の年間商品販売額は19.5%増えています。

令和2年の389兆3,883億円は平成27年より低い水準ですが、この令和2年は新型コロナウイルスの影響を強く受けた年であり、外食向けや土産物向けの流通が大きく落ち込んだ時期にあたります。

減っているのは主に事業所の数であって、扱われている商品の総額が消えているわけではありません。

「卸売業がなくなる」という言葉から連想されるような、市場そのものの消滅は起きていないのです。

【注意】卸売業の統計を読むときの落とし穴

【注意】卸売業の統計を読むときの落とし穴

卸売業の統計は、そのまま並べて比較すると誤った結論に至りやすい構造になっています。

注意すべき点が3つです。

  • 「卸売業・小売業の合計」と「卸売業だけ」の数字が混同されやすい
  • 調査ごとに対象事業所の捉え方が変わっている
  • 販売額は「法人組織の事業所」に限られる

それぞれ解説します。

「卸売業・小売業の合計」と「卸売業だけ」の数字が混同されやすい

令和3年経済センサス‐活動調査では、卸売業と小売業を合計した年間商品販売額は522兆6,458億円です。

このうち卸売業は389兆3,883億円、小売業は133兆2,575億円。

500兆円規模の数字を「卸売業の売上高」として紹介している情報は、小売業を含んだ合計値である可能性が高いといえます。

調査ごとに対象事業所の捉え方が変わっている

令和3年経済センサス‐活動調査の利用上の注意点として、この調査は国税庁の法人番号公表サイト情報を加えた名簿をもとに実施されています。

そして、従来の調査よりも幅広く事業所を捉えているため、過去の調査と単純には比較できないと総務省は説明しています。

異なる調査年の数字を並べて増減を語る際には、この前提を踏まえる必要があるのです。

販売額は「法人組織の事業所」に限られる

経済センサスの年間商品販売額は、法人組織の事業所を対象に集計されています。

管理・補助的経済活動のみを行う事業所などは集計から除かれるため、同じ調査のなかでも表によって数値が一致しない場合があります。

単年ごとの水準を確認するには経済センサス、年ごとの変化の方向を追うには経済産業省「商業動態統計」というように、目的に応じて統計を使い分けるのが適切です。

卸売業が「なくなる」といわれる4つの変化

卸売業が「なくなる」といわれる4つの変化

統計上は市場が消滅しているわけではないにもかかわらず、卸売業の将来が不安視されがちです。

背景には、流通構造そのものの変化があります。

それぞれ見ていきましょう。

1. D2Cでメーカーと消費者が直接つながるようになった

メーカーが消費者に直接販売できるようになったことが、卸売業の存在感を薄めた最大の変化です。

D2C(Direct to Consumer)は、メーカーが自社のECサイトなどを通じて消費者に直接販売するモデルを指します。

以前は、メーカーが商品を全国に届けるには、卸売業と小売業を経由するのが現実的な唯一の方法でした。店舗網を自前で持つには、莫大な投資が必要だったからです。

しかし現在は、自社ECサイトやモール型ECを使えば、メーカーが単独で全国の消費者に販売できます。

たとえば化粧品や健康食品のメーカーが、自社サイトの定期購入だけで事業を成立させている例は珍しくありません。

中間マージンが不要になるうえ、「誰が、いつ、何を買ったか」という購買データを自社で持てる点が、メーカーにとっては大きな魅力です。

結果として、卸売業と小売業を経由せずに売上を立てられる商品カテゴリが増えました。

とくに単価が高く、リピート購入されやすい商品ほど、この傾向が強く出ています。

2. SPAの拡大で「小売業が自ら作る」商品が増えた

D2Cとは逆方向の変化として、小売業が製造まで手がけるSPAの拡大も、卸売業が入る余地を狭めています。

SPA(製造小売業)とは、小売業が商品の企画から製造、販売までを一貫して手がける業態です。

1986年にアメリカの衣料品大手ギャップの会長が、自社の業態を表すために作った言葉とされ、ユニクロやZARAが代表例です。

参考:野村総合研究所「用語解説:SPA(製造小売業)」

ここで押さえておきたいのは、SPAとD2Cは主導する立場が正反対であるという点です。

D2Cは「メーカーが小売の領域に進出する」動きであるのに対し、SPAは「小売業がメーカーの領域に進出する」動きにあたります。

両者を混同した説明を見かけますが、流通の川上から攻めるか川下から攻めるかという、まったく異なる現象です。

そしてSPAでは、小売業が自ら企画した商品を製造委託先に発注するため、そもそも卸売業を経由する工程が存在しません。

アパレルに限らず、スーパーやドラッグストアのプライベートブランド(PB)商品も同じ構造です。

PB商品の構成比が高まるほど、その店で卸売業を経由する商品の割合は下がっていきます。

3. デジタル化で「つなぐだけ」の機能の価値が下がった

情報を持っていること自体が価値だった時代が終わり、仲介機能だけでは選ばれにくくなりました。

かつて卸売業の強みのひとつは、「どのメーカーがどんな商品を、いくらで作っているか」という情報を握っていることでした。

しかし現在は、BtoB向けの仕入れサイトや検索エンジンを使えば、小売店が自分でメーカーを探し、直接交渉できます。

海外メーカーとの取引も、翻訳ツールと決済サービスを使えば個人事業主でも可能になりました。

その結果、「メーカーを知っている」ことだけを価値としてきた卸売業ほど、取引先に対して自社の存在意義を説明しにくくなっています。

情報の非対称性が縮まったぶん、仲介以外の機能を持っているかどうかが問われるようになったのです。

4. 人手不足と価格競争が従来型の収益構造を圧迫している

卸売業は、そもそも利益率が高くなりにくい構造を持っています。

卸売業の基本は、仕入れ値と売値の差額で利益を出すビジネスです。

商品を作っているわけではないため、価格に大きな上乗せができません。

そこに、同業他社との価格競争、燃料費や人件費の上昇による物流コスト増、ドライバーや倉庫作業者の確保難が重なると、もともと薄いマージンがさらに圧迫されます。

取引を維持するために価格を下げれば利益が減り、価格を維持すれば他社に切り替えられる、という板挟みが起きやすいのです。

事業所数の減少には、こうした収益構造の厳しさが影響していると考えられます。

ただし注意したいのは、これらは「卸売業が減った原因」として証明されたものではなく、卸売業が置かれている環境の変化だという点です。

事業所数の減少という結果だけを根拠に、特定の要因を原因だと断定することはできません。

食品卸売業はなくなる?規模と役割から検証

食品卸売業はなくなる?規模と役割から検証

卸売業のなかでも、食品卸売業は生活に直結する分野です。

ここでは、食品卸売業がどれほどの規模を持ち、どのような機能を担っているのかを確認します。

食品卸売業の市場規模は卸売業全体の約13%

令和3年経済センサス‐活動調査によると、食料・飲料卸売業(産業小分類522)の数値は次のとおりです。

  • 事業所数:3万2,023事業所(卸売業計の9.2%)
  • 従業者数:38万3,356人(卸売業計の9.9%)
  • 年間商品販売額:50兆2,359億円(卸売業計の12.9%)

出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査 産業別集計(卸売業,小売業に関する集計)結果の概要」

事業所数の構成比が9.2%であるのに対し、販売額の構成比は12.9%です。

つまり、食品卸売業は1事業所あたりの取扱高が卸売業の平均より大きい分野といえます。

食品卸売業が担っている5つの機能

食品卸売業は「商品を右から左へ流しているだけ」ではありません。

実際に担っている機能、卸売業がなくなると何が起きるかを見てみましょう。

機能卸売業が担っていること卸売業がなくなると
① 多頻度小口配送1店舗あたり少量の商品を、毎日単位で各店へ届けるメーカーが全国数千店舗へ自社便を走らせる
② 温度帯別の物流管理常温・チルド・冷凍を分けて保管・輸送する3つの温度帯の倉庫と車両を、各社が個別に持つ
③ 与信管理・代金回収多数の小売店の支払能力を審査し、代金をまとめて回収するメーカーが取引先1店ずつの与信審査と回収を抱える
④ 需給調整・欠品対応在庫を持ち、不作や急な需要増による変動を吸収する小売店ごとに余分な在庫を抱えて備える
⑤ リテールサポート売れ筋データをもとに棚割や販促を提案する小売店が自力で市場全体の動きを調べる

一番右の列にあるのは、どれも「できなくはないが、各社が個別にやると割に合わない」作業です。

たとえば温度帯別の倉庫は、1社分の商品量では稼働率が上がらず、固定費だけが残ります。

与信管理も、取引先が数万店に及べば専門部署が必要になります。

つまり卸売業は、本来なら各社がバラバラに抱えるはずだったコストを、1か所にまとめて引き受けている存在です。

この機能を丸ごと肩代わりできる相手がいない限り、卸売業を外しても総コストは下がりません。

食品卸売業でも直接取引・PBの拡大は進んでいる

もちろん、食品分野でも変化は起きています。

大手小売チェーンは、PB商品についてメーカーと直接取引するケースが増えました。

産地直送を打ち出す小売店や飲食店も珍しくありません。

また、食品メーカーが自社ECで消費者に直接販売する動きも広がっています。

取引量の大きい商品ほど、直接取引に切り替える経済合理性が生まれるためです。

それでも食品卸売業がなくならない理由

直接取引が増えても食品卸売業がなくならないのは、取引の本数そのものを減らすという役割があるからです。

流通論では、これを「取引総数単純化の原理」と呼びます。

たとえばメーカー10社と小売店100店がすべて直接取引すると、取引の組み合わせは10×100で1,000本になります。

ここに卸売業が1社入ると、メーカーとの取引が10本、小売店との取引が100本の、合計110本まで減ります。取引本数はおよそ9分の1です。

取引総数単純化の原理

もうひとつが「不確実性プールの原理」です。

各店舗が個別に安全在庫を抱えるより、卸売業が在庫をまとめて持つほうが、需要変動を吸収するのに必要な在庫量は少なくて済みます。

この2つは、デジタル化が進んでも消えない構造的なメリットです。

直接取引が有利なのは、取引量が大きく品目が絞られている場合に限られます

少量多品種を多数の店舗に毎日届ける食品流通では、卸売業を介したほうが全体のコストは下がるのです。

今後も生き残る卸売業の3つの特徴

卸売業が今後も生き残る3つの特徴

ここまでを踏まえると、生き残る卸売業と苦しくなる卸売業の違いが見えてきます。

1. 物流・在庫管理まで引き受けられる

倉庫と配送網を持ち、在庫管理まで代行できる卸売業は、取引先にとって物流部門そのものの代わりになります。

理由は、物流を自前で持つことの負担が年々重くなっているからです。

倉庫の賃料、車両、システム、そして人員の確保。いずれもコストが上昇しており、自社だけでまかなうにはリスクが大きくなっています。

たとえば、メーカーが新しい地域の小売店に商品を届けたいとき、その地域に倉庫を借りて配送体制を組むより、すでにその地域で配送網を持つ卸売業に委託するほうが、初期投資も撤退リスクも小さく済みます。

物流コストとドライバー不足が続く環境では、この機能の価値はむしろ上がっています。

「商品を売る会社」ではなく「モノを動かす会社」として選ばれる余地が広がっているといえます。

2. メーカーや小売店に情報を提供できる

複数のメーカーと複数の小売店の両方と取引していることは、卸売業にしかない情報上の強みです。

1社のメーカーからは自社商品の動きしか見えず、1店舗の小売店からはその店の売場しか見えません。

しかし卸売業は、多数のメーカーの商品が、多数の店舗でどう動いているかを横断的に把握できる位置にいます。

この立場を活かせば、「この地域ではこのカテゴリが伸びている」「同業態の他店ではこの棚割が機能している」といった、取引先が自力では得られない情報を提供できます。

情報を提案の形に変えられた卸売業は、価格以外の理由で選ばれるようになります。

逆に、この強みを使わずに価格だけで競争すれば、より安い相手が現れた時点で取引を失います。

3. DXで業務を効率化できている

業務のIT化を進められているかどうかは、これからの卸売業を大きく分ける条件です。

受発注のEDI化、需要予測の高度化、倉庫作業の自動化などに取り組めた卸売業は、薄いマージンのままでも利益を確保できます。

ところが卸売業では、以前からの業務のやり方が残り、情報化への対応が遅れている点が課題として指摘されています。

具体的には、次のようなものです。

  • 電話やFAXでのやり取りによる認識違い
  • パソコンへの手入力によるミス
  • 手書き文字の読み間違い

いずれもヒューマンエラーが起きやすく、誤出荷や欠品といったトラブルに直結します。

加えて、Webを使った集客や販売活動に取り組んでいる会社が少ないことも指摘されています。

新規の取引先が自社を見つける経路が営業担当者の足だけに限られていると、取引先の数は担当者の人数以上には増えません。

つまり、業務と集客の両面でIT化が進んでいるかどうかが、同じ卸売業のなかでも差になって表れます。

電話とFAXによる受注体制のままでは、人手不足がそのまま事業継続の問題になりかねません。

そもそも卸売業とは?商社・小売業との違い

卸売業とは?概要や他業種との違い

卸売業とは、メーカーから商品を仕入れ、小売業や他の事業者に販売する事業です。

消費者に直接販売するのではなく、事業者に対して販売する点が最大の特徴です。

ここでは、商社や小売業との違いを紹介します。

  • 商社との違い
  • 小売業との違い

まずは、卸売業の概要から順番に詳しく見ていきましょう。

商社との違い

商社と卸売業の違いは、事業の重心がどこにあるかです。

卸売業は、自ら在庫を保有し、国内の小売店などに商品を供給することを主な業務としています。

対して商社は、商品の売買に加えて、事業投資、海外からの原料調達、物流網の構築、取引先への金融といった幅広い機能を持ちます。

言い換えると、卸売業が「商品を流すこと」を事業にしているのに対し、商社は「取引を組み立てること」自体を事業にしているといえます

もっとも、大手の卸売業が商社的な機能を持つ例もあり、両者の境界は実務上それほど明確ではありません。

小売業との違い

小売業は消費者に直接商品を販売する事業で、卸売業は事業者に販売する事業です。

統計上も、この販売先の違いで区分されています。

たとえば同じ食品を扱っていても、スーパーで消費者に売れば小売業、そのスーパーに商品を納めれば卸売業ということです。

なお、物販事業者が小売店ではなく、卸・メーカーから直接商品を仕入れる方法もあります。

卸・メーカー仕入れについて実践的に知りたい方は、ののさんの「卸・メーカー仕入れとは?」も参考にしてください。

ののさんは、せどり開始翌年に月商300万円を達成し、メーカー・卸仕入れにも取り組む現役の物販プレイヤーで、逃げ切りサロンメンバーとして約10年にわたり活躍されています。

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卸売業に関するよくある質問

よくある質問

Q. 卸売業はいらないのではないですか?

取引の本数と在庫の総量を減らすという機能があるため、不要とは言えません。

メーカーと小売店が直接取引したほうが有利なのは、取引量が大きく、品目が絞られている場合です。

少量多品種を多数の店舗に届ける流通では、卸売業を経由したほうが全体のコストは低く抑えられます。

Q. 卸売業はなぜ必要なのですか?

取引総数の単純化、在庫の集中による需要変動の吸収、与信管理と代金回収、物流の代行、情報提供といった機能を担っているためです。

これらをメーカーや小売店が自前で持つには、大きなコストがかかります。

Q. 医薬品卸はなくなりますか?

医薬品の流通は、医薬品医療機器等法にもとづく許可が必要な業務であり、品質管理や流通経路の記録、回収時の対応が求められます。

企業間の統合は進んでいるものの、これらの機能を医療機関や薬局が自前で担うことは現実的ではありません。

Q. 卸売業に将来性はありますか?

仲介機能だけに依存している事業者は厳しくなる一方、物流・情報・与信といった機能を持つ事業者には引き続き役割があります。

業界単位ではなく、その企業がどの機能を持っているかで判断するのが実態に近いといえます。

まとめ|卸売業はなくなるのではなく、役割が変わる

この記事で解説した内容を、あらためて整理します。

  • 卸売業が完全になくなる可能性は低い。減っているのは事業所の数であり、市場そのものではない
  • 「なくなる」といわれる背景は、D2Cの普及・SPAの拡大・デジタル化による仲介価値の低下・人手不足と価格競争の4つの変化
  • 食品卸売業は卸売業計の9.2%の事業所数で12.9%の販売額を担っている
  • 取引総数単純化の原理により、卸を1社挟むと取引本数はおよそ9分の1。少量多品種・多頻度配送の流通ほど、卸を経由したほうが総コストは下がる
  • 今後生き残るのは、物流・在庫管理を引き受けられる/情報を提供できる/DXで効率化できている卸売業

変わりつつあるのは、卸売業に求められる中身です。

商品をつなぐだけの機能はD2C・SPA・デジタル化によって価値が下がった一方、物流、在庫管理、与信、情報提供といった機能はむしろ重要性を増しています。

卸売業はなくなるのではなく、機能を持つ事業者へと集約されていくと考えるのが妥当でしょう。

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