転売の卸売との違いとは?せどりや小売との違いや違法になるケースまで解説

「転売って副業としてよく聞くけど、卸売との違いは何?」
「なんだかグレーなイメージがあって不安…」

転売についてこのように思われている方は意外と多いのではないでしょうか。

最近では、個人が少ない資金で始められる副業として「転売」に注目が集まっています。

とはいえ、初心者の方にとっては「せどり」「物販」「卸売」など似たような言葉がたくさん出てきて、何がどう違うのか分かりにくいのが現実。

また、「転売って違法なんじゃないの?」という漠然とした不安から、一歩を踏み出せない方も少なくありません。

この記事では、そんな初心者の方に向けて、以下のポイントをわかりやすく解説していきます。

転売の知識や問題点を理解して、将来的に自分でもやってみたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

転売と卸売の違いとは?

まずは、転売と卸売について基本的な違いを解説します。

それでは、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

転売と卸売の定義の違い

まず大前提として、転売と卸売はビジネスの「立ち位置」「目的」がまったく異なります。

それぞれの違いをまとめると、以下のようになります。

  • 転売:個人が仕入れた商品を別の場所で販売して利益を得る行為。主に個人から個人への売買(CtoC)が多い。
  • 卸売:メーカーや仕入れ元から大量に商品を仕入れて、小売業者に販売するBtoBのビジネスモデル。

表にまとめると以下のようなイメージとなります。

項目転売卸売
仕入れ先フリマアプリ、リサイクルショップ、量販店のセールなどメーカー、一次問屋、大規模卸会社
販売相手一般消費者
(エンドユーザー)
小売業者、販売店などの業者
取引の規模少量・個人単位大量・法人単位が多い
目的個人の利益を得る流通供給・業者間の取引
具体例メルカリで安く仕入れてAmazonで販売メーカーから商品を仕入れて小売店へ販売

つまり、転売は「消費者相手の小さな商売」で、卸売は「業者相手の大きな取引」という感じです。

目的や相手がまったく違うので、必要な知識やスキルも大きく変わってきますよ。

「なんとなく似てるけど、実は別物」と、ここでしっかり理解しておきましょう!

販売先と仕入れ方の違い

転売と卸売では、仕入れる相手も売る相手もまったく違います。

ビジネスモデルの流れに大きな違いがあるので、ここはしっかり理解しておきましょう。

それぞれの特徴は以下の通りです。

項目転売卸売
仕入れ先・量販店のセール
・フリマアプリ
・リサイクルショップ
・ネットオークション
・メーカー
・一次問屋
・大規模な輸入業者
販売先・個人ユーザー
・フリマ利用者
・ネットショップの消費者
・小売業者
・実店舗を持つ販売店
・ネットショップ運営者

もう少し噛み砕いて、具体的なイメージで整理してみます。

  • 転売の流れ:
    近所の家電量販店でセール品を仕入れて、メルカリやラクマで高く売る。
    → 買うのも売るのも「個人」が中心のCtoC取引。
  • 卸売の流れ:
    海外メーカーから大量に仕入れて、楽天市場のショップや町の文具店に卸す。
    → 法人同士の取引が基本で、BtoBの関係。

大きな違いは「信頼性と取引規模」です。

転売は誰でも今日から始められますが、仕入れの安定性や価格交渉には限界があります。

一方で卸売は、継続的な仕入れや信用が求められますが、その分安定した取引につながる可能性が高いです。

つまり、転売は「個人の手軽なビジネス」、卸売は「事業としての本格的な取引」といったイメージです。

利益の出し方とリスクの違い

転売と卸売では、利益を生み出す方法もリスクの内容も大きく異なります。

まずは以下の表で、全体像をシンプルに比較してみましょう。

項目転売卸売
利益の出し方仕入れと販売価格の差で利益を出す大量販売で少しずつ利益を積み上げる
利益率高め(20~50%もあり)低め(5〜15%が一般的)
主なリスク在庫過多・トレンド変動・価格競争資金拘束・在庫ロス・取引先の信用

転売は、ポケモンカードやスニーカーなど、人気商品をうまく見つけて販売することで一撃の利益を狙いやすいのが特徴です。

ただし、流行が過ぎれば一気に売れなくなることもあり、資金が詰まりやすいというリスクもあります。

一方で卸売は、利益率は低いものの、継続的な契約や安定した取引によって売上を積み上げていくスタイルです。

事業としての信頼や初期投資は必要になりますが、長期的には安定しやすいのがメリットですね。

ざっくりまとめると、転売は「スピード勝負で利益を狙う型」、卸売は「安定収益を育てる型」といったイメージです。

法律や許可の違い

転売と卸売では、法律や許可に関する扱いにも違いがあります。

まず、転売で中古品を扱う場合、「古物商許可」が必要になるケースがあります。

たとえば、リサイクルショップやフリマアプリなどから中古品を仕入れて、それを別の場所で販売する場合がそれに該当します。

この許可を持たずに継続的な販売を行うと、古物営業法違反となる可能性があるので要注意です。

また、チケットや限定グッズなど、転売が明確に禁止されている商品もあります。

たとえば「チケット不正転売禁止法」などが代表例ですね。

一方で卸売の場合は、事業者同士のBtoB取引が中心なので、「古物商許可」は不要なことが多いです。

ただし、扱う商品によっては「酒類販売業免許」や「医薬品販売許可」など、個別の許可が必要になる場合もあります。

どちらにしても、販売する商品やビジネスの規模によって、必要な法律や手続きは変わるので、事前に確認しておくことが大切です。

特に転売はグレーなイメージを持たれがちですが、きちんとルールを守れば違法ではありません。

知らずに違反してしまわないように、始める前にチェックしておきましょうね。

転売と似た言葉のせどりや小売・物販との違いも解説

ここでは、転売とよく混同されがちな「せどり」「小売」「物販」との違いについて解説します。

名前は似ていますが中身はちょっと違うので、それぞれの違いを整理しておきましょう!

せどりとの違い

せどりと転売はよく似ていますが、言葉の背景やイメージに違いがあります。

せどりは、もともと古本の価値を見抜いて売る行為からきた言葉で、初心者向けの副業として使われることが多いです。

一方、転売はビジネス色が強く、限定商品の高額販売などの影響で、ややネガティブな印象を持たれがちです。

どちらも実態は「安く仕入れて高く売る」ことに変わりませんが、使う言葉によって世間の受け取り方が変わるのがポイントです。

小売との違い

転売と小売は、どちらも消費者に商品を売るビジネスですが、規模や体制に違いがあります。

小売は、法人や事業者が継続的に商品を販売するビジネスで、社会的信頼や仕組みが整っているのが特徴です。

一方で転売は、個人が一時的に商品を仕入れて売るケースが多く、フリマアプリやオークションが主な販売チャネルになります。

継続的な販売体制と信用力の面で、小売と転売は大きく異なるといえるでしょう。

物販との違い

物販とは、「物を売る行為」全体を指す広い言葉で、転売や小売もその中に含まれます。

イベントでグッズを販売するのも物販、ネットで自社商品を売るのも物販です。

最近では、「転売」よりも響きが良いことから、あえて「物販ビジネス」という言葉が使われることもあります。

言葉の印象や使い分けで、同じ行為でも見え方が変わるので、自分の立場や目的に合わせて使うことが大事ですね。

転売が悪といわれることがある2つの理由

SNSの投稿やネットニュースで、転売が悪いという意見を見られる方もいるでしょう。

なぜ転売は悪といわれることがあるのか、理由を解説します。

  1. 他人に迷惑をかける方がいるから
  2. 不当に高い価格で商品を販売する方がいるから

それぞれ詳しく見ていきましょう。

他人に迷惑をかける方がいるから

転売が悪といわれる理由の1つは、自分が儲けるために仕入先の店舗や消費者に迷惑をかける人がいるからです。

他人の迷惑よりも自分の利益を優先する人に対して、世間では批判的な意味を込めて転売ヤーと呼ばれています。

転売ヤーによる被害で有名なのが、新商品の発売日に店舗に長時間並んで大量に買い占めるといった行為。

このような買い占めによって、一般の方が商品を購入できなくなったり、在庫がなくなった店舗にクレームが増えたりといったトラブルが発生します。

特に被害が多いのが、需要の高い商品や人気のグッズなどです。

店舗側が商品を買うときに個数を制限したり、購入履歴を遡って制限をかけたりといった対策が行われるほど、被害を受けた人たちがいました。

一部の転売ヤーが、必要な商品が求めている人に届かない原因を作っていることから、世間から転売自体が悪く思われてしまうのです。

不当に高い価格で商品を販売する人がいるから

悪質な転売ヤーによって、相場よりも明らかに高額で商品が出品される被害も多く見られます。

たしかに転売の目的は、より高い価格で商品を販売して利益を得ることです。

しかし、転売ヤーが悪質なのは、希少性が高くて需要のある商品を買い占めて、極端に高い価格で出品することで利益を生んでいる点にあります。

近年、特に問題視されているのが人気のゲーム機や、芸能関係のチケットの買い占めです。

転売ヤーの利益のために高額で転売される現状に対して、世間からは悪い印象を持たれてしまっています。

転売が違法になる3つのケース

転売は基本的に合法ですが、違法になってしまうケースもあるため注意が必要です。

  1. 禁止されている商品を扱っている
  2. 古物商許可を取らずに販売している
  3. 許可が必要な商品を無断で販売している

1つずつ詳しく見ていきましょう。

禁止されている商品を扱っている

そもそも以下のような商品は、転売自体が禁止されています。

  • 偽ブランド商品
  • 薬物
  • チケット

特に被害が多くて有名なものだと、芸能やスポーツのチケットです。

チケットを転売してしまうとチケット不正転売禁止法や、ダフ屋行為として迷惑防止条例などに違反したとみなされ、刑事罰の対象になる可能性があります。

違反と知らずに販売していても罪に問われることがあるので、事前に法的な問題がないか確認することが大切です。

古物商許可を取らずに販売している

古物商の許可を取らずに転売すると、刑事罰の対象になる可能性があります。

古物商許可とは、中古品を仕入れて販売するときに必要な資格です。

もらった商品や不用品を転売するときは許可を取らなくても問題ありませんが、ビジネスとして継続的に中古品を転売するなら必要です。

なお、新品の商品だったとしても、転売のために購入したら中古品に該当されるため、許可が必要になります。

許可が必要な商品を無断で販売している

転売をするうえで、許可が必要な商品を無許可で販売していると、法律違反になってしまいます。

具体的には、薬機法や酒税法などに関わる以下の商品です。

  • お酒:税務署に申請して審査に通る必要あり
  • 医薬品:国からの許可が必要

これらの商品は許可なく販売することで取り締まられてしまうため、副業や小規模のビジネスとして転売をする場合は注意する必要があります。

転売の始め方を3ステップで解説

こちらでは、ゼロから転売を始める手順について解説します。

  1. 販売場所を決める
  2. 商品を仕入れる
  3. 価格をつけて出品する

これから転売を始めてお小遣いを稼ぎたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.販売場所を決める

転売を始めるときは、まず商品の販売場所を決めましょう。

販売場所を選ぶポイントの1つは、プラットフォームの利用者数です。

多くのユーザーが利用するサイトを選べば、商品の露出が増えて、より売れる確率も高くなります。

特に初心者におすすめの販売先は、フリマアプリのメルカリ

というのも、メルカリは月間利用者数が2,200万人を超えており、2022年時点で1秒間に7.9個も商品が売れています。(参考:フリマアプリ「メルカリ」、サービス開始10周年記念インフォグラフィックス公開

初心者のうちは、なるべく売れるまでの期間が短いプラットフォームを選んで、転売の感覚を掴むといいでしょう。

2.商品を仕入れる

販売場所が決まったら、実際に転売する商品を決めます。

商品の仕入れ方は、店舗とオンラインの2通りです。

店舗で商品を仕入れるときは、主にセール品を狙いましょう。

アウトレットモールやリサイクルショップ、家電量販店を狙えば、商品をお得に仕入れやすいです。

一方で、オンラインで調達する場合は、以下のようなサイトをおすすめします。

  • 楽天市場
  • メルカリ
  • ヤフオク!

以下の記事では、転売初心者におすすめの商品ジャンルを紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

▼転売初心者が狙うべきジャンルについて知りたい方はこちら▼

【早いもの勝ち】転売初心者が狙うべき5つのジャンルを公開!必要な道具や注意点も徹底解説

>>【早いもの勝ち】転売初心者が狙うべき5つのジャンルを公開!必要な道具や注意点も徹底解説

3.価格をつけて出品する

商品を仕入れたら、価格をつけて実際に出品しましょう。

価格を決めるときは、まず他の出品者の売り方を見て、相場を把握することが大切です。

  • 商品を仕入れたときのコスト
  • 発送と梱包にかかる費用

などを考えたうえで、赤字にならないような値付けを行いましょう。

また出品するときは、購入を考えている方が商品のイメージを湧くような工夫をすることが大切です。

例えば、商品の状態について詳しく説明したり、さまざまな角度から撮影したりすることで、購入者側に安心してもらいやすくなります。

もっと詳しく知りたい方は、以下の記事からメルカリのプロによる転売の方法を参考にしてみてください。

これから転売を始めるときに注意すべき3つのこと

知識がゼロの状態で転売を始めると、思わぬトラブルにつながる恐れがあります。

こちらでは、転売を始めるときの注意点について見ていきましょう。

  1. マナーを守る
  2. 本格的に始めるなら必要書類を提出する
  3. プラットフォームの利用規約を確認する

長期的にお金を稼ぐために重要な内容なので、ぜひ確認しておいてください。

マナーを守る

当たり前ですが、転売を始めるときはモラルに欠ける行動は控えましょう。

特に問題視されている以下のような行為は、世間から大きな批判を浴びてしまいます。

  • 限定商品を買い占める
  • 複数人で売り場を占領する
  • 不当に高額な価格で販売する

目先の利益のために他人に迷惑をかけると、店舗からブラックリストに認定されたり、消費者から通報を受けたりして、転売自体ができなくなることもあります。

初心者のうちからマナーをしっかりと守ることで、信頼されながら長期的な収益の獲得が期待できるようになるでしょう。

本格的に始めるなら必要書類を提出する

転売を本格的にビジネスとして行うなら、以下の書類を提出する必要があります。

  • 古物商許可証
  • 開業届

古物商許可証の取得は、警察署での申請が必要です。

申請から交付されるまでの期間は、土日を除いて約40日かかるので、なるべく早く申し込むようにしましょう。

また長期的に転売をする方には、開業届の提出も重要です。

開業届を提出することで、青色申告によって節税できたり、事業用の銀行口座を持てたりするメリットがあります。

事前に必要書類を提出し、安心した状態で転売を始めましょう。

プラットフォームの利用規約を確認する

転売を行うときは、使用するプラットフォームの利用規約やガイドラインへの理解が大切です。

たとえ知らなかったとしても、規約に違反した場合、ペナルティの対象になってアカウント停止になる可能性があります。

  • 出品が禁止されている商品
  • 手数料や販売の流れ
  • トラブル発生時の対応方法
  • 禁止されている行為

などを事前に把握しておけば、アクシデントを未然に防ぎやすいです。

転売をするうえでプラットフォームを利用しないと収益化が難しくなるので、しっかり利用規約を確認してルールを守りましょう。