「個人でアプリ開発をする場合、どんな費用がかかるの?」
「アプリ開発をやってみたいけど、身近に相談できる人がいなくて不安」
「アプリ開発はプログラミング初心者でもできるのかな?」
などと考えていませんか?
アプリ開発は、制作会社で複数人のディレクターやエンジニアが携わり開発することが一般的です。しかし、個人で開発を行い、多くの人に利用されているゲームやコミュニティアプリは少なくありません。
中には、アプリ開発を個人で始めたことをきっかけに起業をする方や、エンジニアとして転職する方がいるなど、様々な可能性を秘めています。
しかし、アプリ開発を個人で始めようと思っても「どのくらいの費用がかかるかわからない」「何から手をつけたら良いのかわからない」という方は多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では個人でアプリ開発をする場合の費用や基礎知識について、以下のことを解説します。
- 個人でアプリ開発する方法
- アプリ開発にかかる費用
- 必要なスキル
- 活用できるツール
- 開発の手順
- 個人アプリ開発のメリット・デメリット
個人でのアプリ開発にこれからチャレンジしたいという方にとって、必要な情報をもれなく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
個人でアプリを開発する方法
アプリ開発には、プログラミング言語を習得することが必要です。しかし、開発方法によっては、初心者の方でも簡単に制作できる方法もあります。
ここでは、アプリ開発の方法として以下の3つを解説します。それぞれの方法で、必要なスキルや費用が異なるため、違いを理解しておきましょう。
- ノーコード
- パッケージ
- フルスクラッチ
それぞれ詳しく解説していきます。
1.ノーコード
ノーコードとは、プログラミング不要のツールを使う方法です。ノーコードの開発ツールでは、パソコンの画面上で、ドラッグアンドドロップなど直感的な操作でプログラムを構築できます。
ノーコードの開発ツールは、店舗用、ECサイト用など用途ごとに複数のツールが提供されています。ツールは、初期費用と月額料金を払って利用することが一般的です。
ノーコードは、ツール内で提供されているインターフェース、機能の中から組み合わせて構築するため、オリジナルのアプリの開発はできません。
ノーコードツールの誕生によって、アプリ開発は誰でもできるようになりました。アプリを作ってみたいけど、まだスキルが足りない方はノーコードツールを使った開発から、始めてみると良いでしょう。
2.パッケージ
パッケージとは、既存のシステムをカスタマイズして開発する方法です。
パッケージは、ベースとなるインターフェースや機能が提供されますが、自身でカスタマイズして、オリジナルのアプリを開発できます。アプリの開発会社に依頼する場合でも、パッケージツールを元に開発することが多くあります。
パッケージツールは、初期用と月額料金を支払って利用します。ノーコードよりは自由度高く開発したいが、ゼロから開発するスキルや時間がない場合は、パッケージツールを利用すると良いでしょう。
3.フルスクラッチ
フルスクラッチとは、オリジナルのアプリをゼロから開発する方法です。オリジナルのアプリとは、機能、インターフェイスなどすべてを含みます。
フルスクラッチで開発する場合、iOSアプリの場合「Swift」、Androidアプリの場合「Kotlin」または「Java」というプログラミング言語を習得する必要があります。
またデータベースを使ったアプリを開発する場合、データを保管するサーバーを自分で用意する必要があります。ノーコードやパッケージでは、クラウドでデータベースの管理が可能です。
これからアプリをフルスクラッチで開発することを考えている方は、業務用や店舗用などの複雑なアプリではなく、簡単なゲームアプリの開発などから始めてみると良いでしょう。
アプリ開発する際の費用
アプリを開発する際にかかる費用を「個人で制作する場合」「制作会社に依頼する場合」それぞれ解説します。
- 個人でアプリ開発する際の費用
- 制作会社にアプリ開発を依頼する際の費用相場
それぞれ見ていきましょう。
1.個人でアプリ開発する際の費用
個人でアプリ開発をする場合には、主に以下の3つの費用がかかります。
項目 | 料金 |
開発ツール | 無料~月額料金 |
サーバー環境(バックエンドサービス) | 無料~月額料金 |
アプリストア登録費用 | App Store:$99(年間参加料)
Google Play:$25(初回登録費) |
開発ツールとは、フルスクラッチで作る場合を除き、ノーコードやパッケージ開発ツールの初期費用や月額料金のことです。機能が制限された無料プランもありますが、一般的には2,000円~20,000円程度かかると考えておくと良いでしょう。
サーバー環境とは、アプリのデータを保存しておく場所のことです。データベースと連動して、アプリ利用者が入力したデータなどを保存する場合に必要な費用です。スタンドアローンと言われるアプリ内ですべてが完結するアプリの場合は、不要です。
ノーコードやパッケージ型の場合、データベースは開発ツールに含まれていることも多く、別途用意する必要はありません。
アプリストア登録費用とは、アプリを公開して、他者からダウンロードして利用してもらう場合に必要となります。具体的にはiPhone向けのアプリでは「App Store」、Android向けのアプリでは「Google Play」の登録料が必要です。
2.制作会社にアプリ開発を依頼する際の費用相場
アプリの制作会社に開発を依頼する場合の費用について紹介します。制作会社に依頼する場合かかる費用は、主に以下の4つです。
- エンジニア人件費
- デザイナー人件費
- 保守費用
- アップデート費用
アプリ開発を依頼する場合は、運用にどのくらいの費用がかかるか確認しておくことが大切です。不具合が出た場合の保守や、OSのアップデートなどに伴って、アプリの機能の改修が必要なことがあります。
以下の表は、主なアプリの開発費用の相場です。
アプリの種類 | 費用 |
eコマースアプリ | 330〜2,750万円 |
ビジネスアプリ | 550〜2,200万円 |
ゲームアプリ | 330〜2,750万円 |
コミュニティアプリ | 198〜1,650万円 |
参考:SPD LOAD
開発費用は、アプリの種類や機能によって大きく変わります。特に機能面の差は大きく、費用は桁が変わるほどです。機能の違いとは、例えば「GPS機能」「LINEを使ったログイン機能」など様々あります。
個人でアプリ開発する際に必要なスキル
アプリ開発に必要なスキルは、iPhoneのiOS向け、Android向けによって異なります。ここでは、プログラミング言語や、iOSやAndroid専用の開発ツールについて解説します。
- iOSアプリの開発に必要なスキル
- Androidアプリの開発に必要なスキル
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.iOSアプリの開発に必要なスキル
iOSアプリを開発する場合は、以下の3つのスキルを身につける必要があります。
- プログラミング言語「Swift」
- 開発ツール「Xcode」
- フレームワーク「UIKit」
iOSアプリの開発には「Swift」というプログラミング言語使用します。「Swift」とは、IOSアプリ開発の公式のプログラミング言語です。
また「Swift」を使って効率的にアプリ開発を行うためには「Xcode」という開発ツールと「UIKit」というフレームワークの使い方を学んでおくと良いでしょう。
「Xcode」とは、iOSアプリを開発する際の専用のツールで、ソースコードの編集だけでなく、端末での操作確認などができます。「UIKit」は「Swift」のよく使うプログラミングコードなどを簡単に挿入できるものです。
iOSアプリを開発する場合は、プログラミング言語だけでなく、開発ツールやフレームワークの使用方法を学んでおきましょう。
2.Androidアプリの開発に必要なスキル
Androidアプリを開発する場合は、以下の2つのスキルが必要です。
- プログラミング言語「Kotlin」「Java」
- 開発ツール「Android Studio」
Androidアプリの開発には「Kotlin」というプログラミング言語が必要です。以前はすべて「Java」というプログラミング言語で開発されていましたが、2017年からAndroidoアプリの公式言語は「Kotlin」になりました。
「Kotlin」を使った開発では「Android Studio」という公式ツールを活用できます。効率的な開発には「Android Studio」の活用が欠かせません。「Kotlin」と合わせて、学んでおきましょう。
個人でアプリ開発する際に活用できるツールの種類と費用
個人でアプリ開発をする際に活用できるツールを、以下の種類別に紹介します。
- ノーコード型アプリ開発ツール
- パッケージ型アプリ開発ツール
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.ノーコード型アプリ開発ツール
ノーコード型アプリ開発ツールの使用は、プログラミングスキルは不要です。主な開発ツールの利用目的と費用は、以下の表のとおりです。
利用目的 | 費用 | |
Yappli(ヤプリ) | 業務・顧客向け | 初期費用・月額費用
(要見積り) |
Monaca | 業務・顧客向け | 2,000円/月~ |
Stores ブランドアプリ | 顧客向け(ECサイト) | 初期費用・月額費用
(要見積り) |
Platio | 業務向け | 20,000円/月~ |
「Yappli」は,
小売店から社内での業務用まで広く活用されているツールです。直感的な操作で情報を更新でき、プッシュ機能など利用者の利便性の高いアプリが簡単に作れます。
「Monaca」は、プログラムはノーコードでできますが、インターフェースはHTMLなどのコーディングが必要なツールです。モバイル端末だけでなく、パソコンで使うアプリの開発もできます。
「Stores ブランドアプリ」は、ECプラットフォーム「Stores」を利用している方向けの開発ツールです。無料で使えるECプラットフォーム「Stores」と連動したアプリの開発ができます。
「Platio」は主に、社内の業務向けアプリの開発を行う際に利用できるツールです。社内の在庫管理や業務連絡などの情報共有を効率化できるアプリの開発が可能です。
ここで紹介したツールは、初期費用や月額料金が明確になっているもののほか、見積りが必要なサービスがあります。見積りが必要な理由は、開発するアプリによって、付加する機能が異なるためです。
ノーコード型のツールは、提供されている機能を組み合わせて開発をします。自身が作りたいアプリにあったツールであるか、細かく確認することが必要になるでしょう。
2.パッケージ型アプリ開発ツール
パッケージ型アプリ開発ツールは、ベースとなるインターフェースや機能を元に、カスタマイズして開発するものです。主な開発ツールは、以下の表を確認してみてください。
利用目的 | 費用 | |
GMOおみせアプリ | 顧客向け | 22,000円/月~ |
App Publisher | 顧客向け | 初期費用+300,000円/月~ |
MGRe(メグリ) | 顧客向け | 初期費用・月額費用
(要見積り) |
「GMOおみせアプリ」は、店舗向けのアプリを開発できるツールです。マーケティングに必要なデータ分析や、利用者の利便性を高める外部連携機能が充実しています。
「App Publisher」は、店舗向けのアプリ開発ツールです。月額料金が30万円からと高額ですが、WebサイトやSNSなどマルチチャネルでのマーケティングに特徴のあるアプリの開発が可能です。
「MGRe」は、店舗やメーカーで活用できるアプリの開発ができるツールです。利用者をセグメントして、アプリからの配信内容を変えるなど、マーケティングに強いアプリの開発が強みです。
パッケージ型のアプリ開発ツールは、カスタマイズして利用することが基本ですが、ノーコード型のツールのように直感的な操作で、機能を組み合わせて開発することも可能です。
自身の作りたいアプリに適したツールがあるか、詳しく見てみると良いでしょう。
個人でアプリ開発する手順
個人でアプリ開発をする手順は、以下の5つです。アプリ開発では、いきなりプログラミングに入るのではなく、企画設計など準備をしっかりしておくことが大切です。
- 基礎知識の学習
- 企画設計
- 開発環境の整備
- 開発、プログラミング
- リリース
それぞれ確認していきましょう。
1.基礎知識の学習
はじめてアプリ開発をする方は、プログラミング言語などの必要なスキルを学習しましょう。フルスクラッチで開発する場合以外でも、アプリ開発の基礎的な知識が合ったほうが、効率的に開発ができるでしょう。
アプリ開発に必要なスキルを学ぶ際は、ワンダフルワイフのオンライン講座「ワンダフルコード」を活用することがおすすめです。ワンダフルコードでは、プログラミング言語「Ruby」を使ったプログラミングを学べるほか、アプリ開発に必要な論理的思考力や問題解決能力などのソフトスキルを学ぶことができます。
また学習に行き詰まった時には、現役エンジニアから直接指導してもらえ、チャットでのサポートも半年間活用できることが魅力です。
アプリ開発のスキルの学習は、独学では約8割の方が途中で挫折してしまうと言われています。基礎学習を進める際には「ワンダフルコード」の受講を検討してみてください。
2.企画設計
アプリを開発する際には、はじめに設計図を作る必要があります。設計図とは、どんな課題を解決するアプリなのかという「目的」や、そのために「必要な機能」を洗い出し、整理したものです。
アプリの設計図は「プロトタイピングツール」などの専用のソフトを活用するほか、紙にアプリの画面遷移を書き出す方法でも構いません。
企画設計段階で、細かく必要な機能を整理しておくことで、開発の際に行き詰まったり、手戻りを減らせます。アプリ開発をする際には、あせらずに設計図を時間をかけてじっくり作ることをおすすめします。
3.開発環境の整備
企画設計と合わせて、実際に制作に入る前に、開発環境を整えておきましょう。開発環境とは、主に以下の3つです。
- 開発を行うパソコンの準備
- アプリのテストを行うスマートフォンの準備
- アプリ開発ツールの選定と契約
アプリ開発を行うにはパソコンが必要です。パソコンには特別なスペックは必要ありません。しかしiOSアプリを開発する場合はMacを準備しなければなりません。iOSアプリ開発ツールは、Mac専用のソフトで、Windowsで動かすことはできません。
またアプリをテストで動作させるためのスマートフォンを準備しておきましょう。開発するアプリに対応して、iPhone、Androidを準備しておきます。
最後に、アプリ開発に使う開発ツールの選定や契約を忘れずに完了させておきましょう。
4.開発、プログラミング
企画設計、開発環境の整備が終わったら、いよいよ開発、プログラミングに入ります。
個人で開発をするには、膨大な時間が必要です。自分の使える時間を考えて、大まかなスケジュールを立てて置くと良いでしょう。また、はじめてアプリ開発を行う方は、行き詰まったときにアドバイスをもらえる相手を作っておくと良いでしょう。
オンラインスクールの「ワンダフルワイフ」なら、行き詰まった時に、相談できる体制があります。身近にアドバイスをもらえる相手がいない方は、オンラインスクールなどのサービスを利用すると良いでしょう。
5.リリース
アプリが完成したら、実際に人に使ってもらいましょう。不特定の方に、アプリを利用してもらうには「App Store」や「Google Play」で公開する必要があります。
iOSアプリは「App Store」、Androidアプリは「Google Play」を利用します。それぞれ、登録料がかかるので注意してください。
個人でアプリ開発をするメリット
個人でアプリ開発をすることは、スキル学習を含めて、多大な時間がかかります。しかし、アプリ開発をする技術の習得や、実際に完成させた実績を作ることには、大きなメリットがあります。ここでは、個人でアプリ開発をすることのメリットを3つ解説します。
- 収入を得られる
- 実績として活用できる
- 自分の好きな方法で開発できる
ひとつずつ見ていきましょう。
1.収入を得られる
自身で開発したアプリを有料で公開した場合、手数料を引いた金額を収入として得られます。無料公開した場合であっても、アプリ内に広告を掲載すれば、広告収入を得られる可能性があります。
アプリ開発で収入を得られ可能性は、決して低くはありません。アプリの個人開発は、一般的に行われており、何万件ものダウンロードを達成しているアプリも存在しています。
2.実績として活用できる
個人でアプリ開発を行った実績は、エンジニアとして転職する際に役立ちます。エンジニアの人材は不足しており、ゼロからアプリ開発をした経験がある方は、制作会社から重宝されるでしょう。
アプリ開発のエンジニアとしての転職を考えている方は、個人開発にチャレンジしてみる価値があります。
3.自分の好きな方法で開発できる
個人でのアプリ開発は、制作会社で開発する場合に比べて、自由度があります。自分のアイデアを形にしたり、自分のやってみたい方法で開発するなど、自由にチャレンジが可能です。
制作会社ではパッケージ型のツールを活用して開発している方が、個人ではフルスクラッチにチャレンジすることができます。自分のアイデアとスキルで、自由にアプリ開発を行いたい方にとっては、個人開発は大きなメリットでしょう。
個人でアプリ開発をするデメリット
個人でアプリ開発をすることには、様々なデメリットもあります。主なデメリットは、以下の2つです。
- コストがかかる
- 開発期間が長期化する恐れがある
それぞれ見ていきましょう。
1.コストがかかる
個人でアプリを開発する場合、費用はすべて自分で持つ必要があります。費用とは、開発ツールやバックエンドサービス、アプリストア登録費用の料金などです。
個人でのアプリ開発は、自由度が高く、実績になりますが、すべて自己責任で行う必要があることを理解しておきましょう。
2.開発期間が長期化する恐れがある
アプリの個人開発は、開発期間が長期化する恐れがあります。制作会社のように、複数人のチームで開発するわけではないため、作業はなかなか進みません。
特に、副業として開発をする場合は、作業にかけられる時間が少ないため、開発期間は長期化します。十分なスキルがない初心者の場合、なかなかアプリが完成せずに、途中で挫折してしまう恐れもあるでしょう。
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