「自営業と個人事業主は何が違うの?」
「フリーランスや法人との違いも気になる」
「個人事業主になる時に気をつけることは?」
このような疑問を抱えていませんか?
仕事の幅が広がり、会社から独立して個人で働く人が増えています。ところが、いざ独立しようと考えた時に「自営業と個人事業主、フリーランスの違いがよくわからない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
独立する前に、それぞれの違いを理解して、自分に適した働き方を選びたいですよね。そこでの記事では、以下の内容について解説します。
- 自営業と個人事業主の違い
- 個人事業主とフリーランス・法人の違い
- 自営業と個人事業主のメリット・デメリット
- おすすめの職種
最後まで読むことで、それぞれの働き方の違いを把握できるので、ぜひ参考にしてください。
自営業と個人事業主の違いはない!それぞれの定義を解説
結論から述べると、自営業と個人事業主の違いはありません。ここでは、それぞれの定義を解説していきます。
- 自営業とは自分で事業に取り組む人
- 個人事業主は事業を営む個人
それぞれ見ていきましょう。
1. 自営業とは自分で事業に取り組む人
自営業とは、自分で事業に取り組んで収入を得ている人を指します。従業員数や業種を問わず、自分の事業で収入を得ていれば、自営業に含まれます。
例えば、以下の3つは全て自営業です。
- 1人でお店を経営
- 従業員を雇って事業を運営
- フリーランスエンジニアとして案件に従事
自営業は2種類あり、個人事業主と法人経営者に分けられます。つまり、個人事業主は自営業に含まれるということです。
自営業は自分で事業をしている人を指し、フリーランスや個人事業主よりも広い意味で使われます。
2. 個人事業主は事業を営む個人
個人事業主とは、事業を営む個人のことです。例えば、自宅でWebデザインの仕事をするフリーランスのデザイナーは、個人事業主です。
個人事業主は、法人を設立せずに自分の名前で事業を営みます。法人を設立しないため、税務申告や契約なども個人名で行われます。
個人事業主と似た意味で使われる用語との違い
こちらでは、個人事業主と似た意味で使われて、よく混同される用語を紹介します。
- 個人事業主とフリーランスの違い
- 個人事業主と法人の違い
それぞれの意味と違いを見ていきましょう。
1. 個人事業主とフリーランスの違い
フリーランスとは、会社から独立して成果報酬の仕事を獲得し、働く場所や時間に縛られないで収入を得ている人のことです。
個人事業主とフリーランスは、よく同じ意味として扱われます。個人事業主=フリーランスとなる場合は多いですが、例外もあります。
個人事業主=フリーランスにならないのは、店舗を経営している場合です。フリーランスは、時間や場所に縛られない人を指します。
そのため、飲食店や小売店などの店舗を経営する個人事業主は、厳密にはフリーランスではありません。基本的にフリーランスは個人事業主と同じ意味で使われますが、全く同じ意味ではないと把握しておきましょう。
2. 個人事業主と法人の違い
個人事業主と法人(経営者)は、税務上で異なる点があります。大きく異なる点は、以下の3つです。
- 事業を始めるために必要な手続き
- 税金
- 社会的な信用
それぞれの違いを表にまとめました。
個人事業主 | 法人 | |
事業を始めるために必要な手続き | 開業届の提出 | 法人登記 |
税金 | 所得税 個人住民税 消費税 個人事業税 |
法人税 法人住民税 法人事業税 消費税 |
社会的な信用 | 法人より低い | 高い |
最もわかりやすい違いは、会社を設立しているかどうかです。手続きの時に開業届を提出していれば個人事業主、法人登記をすれば法人と分類されます。
従業員数や売上高は関係なく、会社を設立したかどうかが個人事業主と法人の異なる点です。
自営業と個人事業主のメリット7選
こちらでは、自営業や個人事業主のメリットを解説します。
- 収入を増やしやすい
- 仕事を選べる
- 時間を自由に使える
- 働く場所を選べる
- 付き合う人間を選べる
- 節税ができる
- 定年退職がない
自営業や個人事業主のメリットは、会社員よりも自由度が高いことです。具体的に見ていきましょう。
1. 収入を増やしやすい
自営業や個人事業主は、収入を増やしやすいのが特徴です。なぜなら、自分の頑張りが収益に反映されるからです。
例えばWebライターなら、執筆する記事の本数を増やすと、収入が増えます。業務を効率化すれば、多くの記事を執筆できるようになります。
また、交渉によって単価を上げてもらえる可能性もあります。自らアクションを起こす必要はありますが、自営業や個人事業主は、自分の努力や工夫次第で収入を増やしやすいです。
2. 仕事を選べる
自営業や個人事業主は、好きな仕事に取り組めたり、受注する案件を選べたりするというメリットがあります。会社員より仕事選びの自由度が高いため、自分がやりたくないと思う仕事を断れます。
自分の興味や得意分野に合わせて仕事を選べるため、ストレスの少ない働き方ができるでしょう。また、以下のような仕事を並行して取り組むことも可能です。
- 情報発信をしてコンテンツを売る
- スキルを付けて案件を受注する
- 1人で店舗を経営する
- 従業員を雇って事業を始める
- コミュニティを運営する
好奇心が強く、さまざまなことに挑戦したい方には、仕事を選べるのはメリットと言えます。
3. 時間を自由に使える
自営業や個人事業主は、自由に時間を使えるというメリットがあります。会社員と異なり、仕事をする時間を自分で調節できるからです。
体調不良や緊急の用事にも対処しやすく、状況に応じて柔軟に働けます。例えば、1日で午前だけ作業をして午後を休みにしたり、1週間のうち前半の4日だけ作業したり、といった働き方も可能です。
自由に時間を使えて、自分の生活をコントロールしやすいのもメリットでしょう。
4. 働く場所を選べる
自分の好きな場所で働けることも、自営業や個人事業主のメリットです。プログラミングやデザインなど、パソコンのみで仕事ができる職業なら、海外へ行って働くこともできます。
パソコンを1台持ってカフェで仕事をしたり、好きな場所に店舗を出したりなど、自分のお気に入りの働き方を見つけられるでしょう。会社員のように職場がないため、自分のライフスタイルに合った場所を選んで仕事ができます。
5. 付き合う人間を選べる
付き合う人間を選べるのも、自営業や個人事業主のメリットです。リモートで働ける職業を選んだり、1人で取り組める事業を始めたりすることで、仕事で関わる人間を選べます。
特に、以下のような悩みを抱えている方には、人間関係を選べることは大きなメリットと言えます。
- 集団で仕事するのが苦手
- 1人で働きたい
- 上司に指示されたくない
自分でクライアントやパートナーを選べるため、会社員よりも人間関係のストレスを抱えにくいです。
6. 節税ができる
自営業や個人事業主は、節税ができます。確定申告のときに、事業に必要な設備費や勉強代などを、経費として計上できるからです。
例えば、帳簿の項目には、以下のようながあります。
- 通信費
- 消耗品費
- 減価償却費
- 広告宣伝費
- 旅費交通費
例えば、自宅の一部をオフィスとして使用する場合、その家賃や光熱費の一部を経費として計上可能です。自営業や個人事業主は、経費計上などの方法で節税がしやすく、手元に残るお金を増やせます。
7. 定年退職がない
自営業や個人事業主は、定年退職がありません。自分で事業を運営するため、年齢に関係なく働き続けられます。
高齢になっても、趣味を活かしてハンドメイド作品を販売し続ける自営業者もいます。定年後も同じように働けば、年齢を重ねても収入を維持できます。
年齢に縛られることなく、好きな仕事を続けたい人は、自営業や個人事業主を検討してみてもよいでしょう。
ただし、長期にわたって収入を得続けるには、スキルをアップデートしたり新たに身につけたりする必要があります。
需要のあるスキルをこれから身につけるなら、人生逃げ切りサロンへの入会がおすすめです。月額2,480円で、プログアミングやSNS運用など、独立が目指せるスキルを学習できます。
需要のあるスキルを身につけてフリーランスとして活躍したい人は、ぜひ詳細をチェックしてみてください。
自営業と個人事業主のデメリット5選
こちらでは、自営業と個人事業主のデメリットを解説します。
- 収入が安定しない
- 社会的信用が低い
- 仕事以外の手続きが多い
- 福利厚生がない
- もらえる年金が少ない
自営業や個人事業主では、自由な働き方を実現できますが、同時にデメリットも存在します。1つずつ見ていきましょう。
1. 収入が安定しない
自営業や個人事業主の最大のデメリットは、収入が不安定ということです。会社員のような固定収入がないため、月によって収入が変化します。
経営している店舗の売上が減ったり、継続していた案件が途切れたりと、予定外の事態が起きて急に収入がなくなることもあります。以下のように、収入が急になくなる原因はさまざまです。
- 時代の変化で店舗の需要がなくなった
- スキル不足で案件を打ち切られた
- 新しいクライアントに営業しなかった
自営業や個人事業主は、毎月の一定の収入がないため、常に気を抜けないというデメリットがあります。
2. 社会的信用が低い
自営業や個人事業主は、会社員と比較して社会的信用が低いです。会社員のように固定収入がないため、信用が必要な審査が通りにくくなっています。
例えば、以下のような審査が通りにくくなります。
- クレジットカード作成
- 賃貸契約
- 住宅ローン
また契約の時に、貯金があることを証明するために、銀行の残高を伝えなければいけないこともあるでしょう。自営業や個人事業主は、社会的信用が低いため、審査や手続き等で不利になるのが難点です。
3. 仕事以外の手続きが多い
自営業や個人事業主は、仕事以外の手続きに手間がかかるというデメリットがあります。健康保険料の支払いや確定申告など、自分で行わないといけないことが会社員よりも多いです。
特に確定申告は税金の知識が必要で、時間と労力がかかり亜mす。確定申告のために自分でお金の収支を記録したり、証拠書類を保管しておいたりしなければいけません。
各種支払いや税務など、手間のかかる作業が増えるのも、自営業や個人事業主の面倒なポイントです。
4. 福利厚生がない
自営業や個人事業主は、会社員のような福利厚生がありません。なぜなら、クライアントと案件ごとに業務委託契約を結び、会社に所属するわけではないためです。
自営業や個人事業主は、健康保険や国民年金保険の全額を支払う必要があります。一方で会社員なら、健康保険や厚生年金保険の半額を企業が負担します。
厚生年金保険に加入できるため、将来的にもらえる年金額が自営業や個人事業主よりも多いです。また、健康やレクリエーションに関する福利厚生が受けられる場合もあります。
自営業や個人事業主の場合は福利厚生がないので、生活費や健康などの管理を自分で行う必要があります。
5. もらえる年金が少ない
個人事業主になると、将来もらえる年金が減ります。
会社員は、国民年金と厚生年金の2つが支給されます。個人事業主の場合、厚生年金がないため、支給されるのは国民年金のみです。
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和2年度における国民年金の平均金額は月56,358円、厚生年金の平均金額は月146,162円です。
個人事業主は年金の受給額が少ないため、国民年金基金や個人型確定拠出年金(iDeCo)などの資産運用を検討するとよいでしょう。
自営業・個人事業主になる際に必要な3つの手続き
こちらでは、個人事業主になるために必要な手続きを解説します。
- 開業届を提出する
- 青色申告承認申請書を提出する
- 健康保険と年金を切り替える
2つの手続きを行うことで節税になるため、しっかり確認しておきましょう。
1. 開業届を提出する
開業届とは、個人で事業を始めた時に、税務署へ提出する書類です。税務署へ提出することで、開業したことを知らせる役割があります。
開業届の提出方法は以下の3つです。
- 税務署へ直接届ける
- 郵送で提出する
- e-Taxを利用する
開業届は、事業を開始してから1ヶ月以内に提出しなければいけません。書類を出さなくても罰則はないですが、節税面でメリットがあるため、なるべく提出することをおすすめします。
開業届は、国税庁のHPからダウンロードしたり、税務署へ行ってもらえたりします。また、最近は会計ソフトを利用することで簡易に開業届が作れるため、うまく活用しましょう。
2. 青色申告承認申請書を提出する
青色申告承認申請書とは、確定申告で節税効果の高い青色申告をするために提出する必要がある書類です。
青色申告には、以下のようなメリットがあります。
- 最大65万円の控除を受けられる
- 最大3年間にわたって赤字繰越ができる
- 家族への給与を必要経費にできる
青色申告承認申請書は、1月1日から1月15日までに事業を開始した場合は3月15日まで、1月16日以降に開業した場合は2ヶ月以内に提出しなければいけません。
なお、開業届を提出していないと申請できないため、2つ同時に税務署へ出しましょう。
3. 健康保険と年金を切り換える
会社員から個人事業主になる場合は、国民健康保険と国民年金への加入手続きを行う必要があります。国民健康保険と国民年金の手続きは、会社を退職した日から14日以内に、居住する市区町村の役場で行わなければいけません。
なお、退職してから最大2年間は、会社で加入していた健康保険を継続して利用できます。健康保険の切り替えを忘れた場合、医療費が全額自己負担となるため、退職したら手続きをする必要があると覚えておきましょう。
脱サラして自営業・個人事業主になる人におすすめの職種5選
こちらでは、脱サラして自営業・個人事業主になる人におすすめの職種を紹介します。
- エンジニア
- Webデザイナー
- 動画編集者
- Webライター
- SNS運用代行
それぞれの特徴を解説するので、仕事選びの参考にしてみてください。
1. エンジニア
エンジニアは、自営業や個人事業主にとって非常に魅力的な職種です。需要があり、高単価の案件が多いためです。
エンジニアとして安定的に案件を獲得できるようになれば、会社員より収入が増えることもあります。
ただし、エンジニアになるには事前に学習して、スキルを身につける必要があります。スキルがなければ、高単価の案件は獲得できません。
Webサイトやアプリなど、作るものによって使う言語が異なるので、何をしたいのかを明確にしてから学習を開始しましょう。
2. Webデザイナー
Webデザイナーも、脱サラしやすい人気の職種です。Webサイトのデザインを主に行い「Illustrator」や「Photoshop」などのソフトを扱うスキルが必要です。
数十万円の高単価案件もあり、会社員時代よりも収入が増える可能性があります。ただし、高単価の案件を獲得するためには、デザイン以外の知識やスキルも求められます。
Webデザイナーとして稼ぐには、マーケティングやコーディングなど、さまざまなスキルを身につけることが重要です。
3. 動画編集者
動画編集者は、近年需要が高まっている職種です。なぜなら、SNSで情報発信をする企業や個人が増加しているためです。
需要があるため、動画編集ができるようになれば、安定的に案件を獲得できるでしょう。やればやるほど稼げる仕事なので、効率化できれば収入を増やせます。
経験を積み、動画編集者を管理するディレクターや動画制作の指揮を行うプロデューサーになれば、さらに収入が増えるでしょう。実力次第でキャリアアップもできる職種なので、成長意欲のある人には動画編集もおすすめです。
4. Webライター
Webライターは、インターネットで閲覧される記事を書きます。文章を書く仕事なので、エンジニアになるよりも短期間で実務レベルのスキルを身につけられます。
需要が高い仕事のため、案件の数も多いです。Webライターになれば、短期間で案件を獲得しやすいでしょう。
ただし、低単価の案件も多数存在します。スキルがないままでは、高単価案件を獲得できずに疲弊してしまいます。
Webライターとして稼ぐなら、基礎的な文章力以外のスキルも必要です。金融や医療などの専門性が高い記事を書いたり、セールスライティングができたりすれば、高単価案件を狙えるようになります。
5. SNS運用代行
企業や個人のSNS運用を代わりに行う仕事です。マーケティングの一環としてSNSを利用する企業が増えたことから、運用代行の需要が高まっています。
InstagramやXなど、さまざまなSNSの運用代行案件があります。複数のSNS運用ができるようになれば、豊富な案件から条件が良いものを選べるでしょう。
SNS運用代行の案件は、継続しやすいのもメリットです。SNSは長期にわたって運用しないと、効果検証ができないためです。
何本かの案件を獲得すれば、収入の不安を軽減できるでしょう。
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