「副業を会社にバレたくないので確定申告を避けたい」
「確定申告をしないとどういったペナルティがあるのか知りたい」
「いくらから確定申告をしないといけないのか知りたい」
副業ブームに伴い、本業とは別で収入源を確保している人が増えています。
一方で確定申告などの納税作業を自分で行う必要があるため、「会社に副業がバレるかどうか」「いくら稼いだら必要なのか」がわからず不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では確定申告について、以下の内容を説明します。
- 確定申告と会社バレの関係性について
- 確定申告をしないことによるデメリット8つ
- 具体的な確定申告のやり方
本業に悪影響がでないようにするためにも、確定申告について詳しく知っておきたいという方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
確定申告をしなくても会社に副業はバレない
原則として、確定申告をしなくても会社に副業はバレません。
副業が会社にバレる主な原因は、確定申告をした際の住民税です。
確定申告を行う際に、住民税を「自分で納付するか」「本業の会社と合算して納付するか」を選択します。
そこで「会社と合算で支払う」という手続きにした場合、バレてしまう可能性があるのです。
例えば、会社の所得が300万円で副業所得が700万円だった場合、会社に1,000万円分の住民税の納付が届きます。
1,000万円分の住民税の納付を見た時に、所得に対して住民税が高いと会社が違和感を持つのです。
つまり、そもそも確定申告をしていないのであれば、会社に住民税の通知が行くことはないので、副業バレはありません。
ただし確定申告をしないと、後々多額の追徴課税を支払う必要があったり、給料の差し押さえがあったりと、リスクが大きいです。
確定申告をしないデメリットを理解して、正しく納付することが求められます。
副業収入を得ている人が確定申告をしないことによるデメリット6つ
確定申告をしないことによるデメリットを7つ紹介します。
- 社会的信用を失う
- 追徴課税が発生する
- 延滞税が発生する
- 無申告加算税が発生する
- 支払い過ぎた税金の還付が受け取れない
- 青色申告の承認が取り消される
確定申告を行わないのはもちろん、提出期限を過ぎた場合もペナルティがあります。
1つずつ解説しますので、副業収入を得ている人はよく理解しましょう。
1.社会的信用を失う
確定申告を行わないと、社会的信用を失う可能性があります。状況によっては刑事罰を受けたり、給料を差し押さえられたりするリスクがあるからです。
「大げさだ」と思うかもしれませんが、不正当な理由なく期限内に確定申告をしなかっただけでも、犯罪の要件に該当してしまいます。
また給与の差し押さえの対象になった場合、本業の会社へ命令通知が届くため、脱税がバレてしまうでしょう。
確定申告をしないと、刑事罰と差し押さえにより、社会的信用を失う可能性は大いにありえます。
2.追徴課税が発生する
確定申告を行わずに、税務署から無申告を指摘された場合は、納税額との差額を支払う追徴課税が発生します。
追徴課税の金額は、税務署が行う更正処分によって算出されます。
さらに追徴課税は原則一括払いで納税するため、状況によっては数百万円以上の支払いを求められるでしょう。
積み重なった税金を一気に支払う必要性が出てくるのは、確定申告をしないことのデメリットです。
3.延滞税が発生する
期日までに税金を納付していない場合は、日数に応じて延滞税(利息)が発生します。
延滞税の金額は、以下のとおりです。
延滞税の税率 | |
納期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで | 年7.3%と、特例基準割合+1% のいずれか低い割合 |
納期限の翌日から2ヶ月を経過する日以後 | 年14.6%と、特例基準割合+7.3% のいずれか低い割合 |
特例基準割合は毎年変動しているため一概にはいえませんが、納期限から2ヶ月を超えると、最低でも年利7.3%の延滞税を支払う必要性が出てきます。
例えば100万円の支払いを1年間怠っていた場合、追加で7万円を支払わなければなりません。さらに他の加算税も必要になるため、支払額はより大きくなります。
4.無申告加算税が発生する
期限までに必要な確定申告を行わなかった場合に、納税者に課せられる税金です。
たとえ期限内に納税したとしても、確定申告をしていなければ、無申告加算税は発生します。
納税額は、本来納めるべき税額に対して15%、50万円を超える部分は20%です。100万円の支払いが滞っていた場合、約17万円が無申告加算税として算出されます。
延滞税と合わせると、支払金額に最低でも25%近い上乗せが発生すると考えると、確定申告をしないデメリットは非常に大きいでしょう。
5.支払い過ぎた税金の還付が受け取れない
還付金とは、所得税の支払い過ぎなどの理由により、納税者へ返還される税額です。
確定申告をしないことにより支払いを過ぎてしまった還付金は、原則として受け取れません。
例えば副業で発生した源泉徴収など、還付金を受け取れるケースは多く存在します。
確定申告を行わない結果、払いすぎた税金をそのまま徴収されてしまうのは、デメリットだといえるでしょう。
6.青色申告の承認が取り消される
確定申告の期限に2期連続で間に合わないと、青色申告の承認が取り消されます。
青色申告の代表的なメリットは下記5つがあります。
- 最大65万円分の特別控除ができる
- 損失の繰戻還付ができる
- 30万円未満の資産を事業用にするとすぐに経費計上できる
- 貸倒引当金を計上できる
- 家族への給与を青色事業専従者給与として経費計上できる
確定申告が期限通りに間に合わないと、これらメリットが受けられません。
確定申告をしないメリットよりも、デメリットのほうが圧倒的に多いので、必ず確定申告は期限内に行いましょう。
副業での確定申告の基準は”所得20万円超”!20万円以下でも行うケースを解説
副業で所得を得ている場合、確定申告を行う基準は「所得が20万円を超えたら」です。
- アルバイトやパートで、本業以外の会社から20万円超の給料を得ている
- 自分でビジネスを行い、売上から経費を引いた金額が20万円を超えている
という場合は、確定申告が必要だと覚えておきましょう。
なお、副業収入が20万円以下でも確定申告が必要なケースが2つあります。
- 所得控除を受ける時
- 住民税の申告を行う時
所得控除に関しては、確定申告をしないと所得税が減税されないので損をします。
また住民税の申告に関しては、副業で1円でも稼ぎがあれば申告する義務があります。
副業収入が20万円以下だからと言って、確定申告をしないと損をするので、きちんと理解をしておきましょう。
それぞれについて解説します。
1.所得控除を受ける時
所得控除を受ける場合は、個人で確定申告をする必要があります。
会社の年末調整では、所得控除は対象とならないからです。
確定申告が必要な所得控除には15種類あります。下記に該当者が多い所得控除を一部載せます。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 寄付金控除(ふるさと納税)
- 地震保険料控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 扶養控除
所得控除は確定申告を行うことで受けられます。
所得が20万円以下でも所得控除を受ける際は、確定申告を行いましょう。
2.住民税の申告を行う時
副業所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要です。確定申告で決定される「所得税」は20万円以下が免税と定められていますが、住民税にそのような制度はありません。
つまり副業での稼ぎが1円でもあれば、住民税の申告を行う必要があります。
なお住民税は個別に申告することも可能ですが、確定申告を行えば自動的に必要な金額が算出されます。
そこで確定申告を行う必要がない金額でも、住民税の申告のために行うというケースは多いです。
「所得税は免除だけど、住民税を支払う必要がある」という場合は、確定申告も視野に入れましょう。
具体的な確定申告のやり方
確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間の所得と税金を算出し、翌年の2月16日から3月15日の間に必要書類を税務署に提出することです。
はじめて提出する人のために、確定申告の種類と必要書類を解説します。
確定申告の種類によって受けられる控除額が変わり、得られるメリットも異なるでしょう。
必要書類も変わってくるので、事前に確認することで期限内に提出できます。
種類と必要書類を確認して確定申告をスムーズに進めましょう。
青色申告と白色申告の違い
確定申告は下記3つの種類があります。
- 白色申告
- 青色申告(10万円控除)
- 青色申告(65万円控除)
それぞれの違いを下記の表にまとめました。
青色申告 (65万円控除) |
青色申告 (10万円控除) |
白色申告 | |
控除額 | 65万円 | 10万円 | 無 |
帳簿の付け方 | 複式簿記 | 簡易簿記 | 簡易簿記 |
メリット | ・青色申告控除が受けられる ・赤字を3年間繰り越せる ・減価償却資産(30万円未満)を一括経費にできる |
・申告手続きが簡単 |
各申告方法の大きな違いは、帳簿の付け方です。複式簿記で記入すれば、65万円の控除を受けられます。
なお複式簿記は書き方が少し複雑なのですが、最近では会計ソフトを使うことにより簡単に行えます。
ソフトの使い勝手の良さを考えると、節税効果の高い青色申告(65万円控除)での確定申告がおすすめです。
確定申告に必要な書類
確定申告に必要な書類は以下の5つです。
- 青色申告決算書
- 確定申告書
- 控除証明書や源泉徴収票
- 開業届
- 青色申告承認申請書
帳簿と領収書の提出は必要ありませんが、確定申告後7年間は保管が義務付けられています。
青色申告で確定申告を行う場合は、事前に開業届と青色申告承認申請書を開業2ヵ月以内に提出している必要があります。
こちらは忘れずに提出して、控えを必ず保管しましょう。
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